第七話 首無し
(どうやら困ってやがるみたいだな。いい
と、俺は
だが、ふと
(あいつらに貸しを作るチャンスかな……。ここは一芝居打ってみるか)
俺はポケットのケータイを
「あ、親からだ!そろそろ
それを聞いてこっちを見た宇陀川と目が合った。ヤツは嬉しそうに笑って言う。
「あ!あー!僕たちも親から
相葉は
「クク、おまえらみたいなもんが、何が門限だよ。しょうがねぇな。
「ウッス!失礼します!」
宇陀川、
河川敷沿いの
「何が『
「お前らには分からねぇだろうけど、相葉さんは
蛭田、毒島が「まったくだ」と
「何がそんなに怖いのよ?」と小笠原。
「そもそもあの人、この辺の
「ふーん、そうなの」
小笠原は、あまり
「しかし、
珍しく宇陀川が俺に笑かけた。
「ハハ、困ってるみたいだったし、ケータイもいいタイミングで鳴ったからね」と俺。
「ありがとよ。また頼むぜ、ハハ」
どうやら、宇陀川の中で俺の株が上がったようだ。ムカつく奴だが悪い気はしない。まぁ貸しを作ろうとしてたわけだから、狙い通りではあるが。
「しかしよぉ、お前らケータイ何で鳴った?≪ギルドラ≫の
宇陀川は皆を見て言った。
「そうだね」
俺もケータイの画面を
【シークレットモンスター≪首無し[SSR+]≫を
とある。
「え、何これ?≪首無し[SSR+]≫って……。≪ギルドラ≫にこんなモンスターいるの?」
「へぇ、浅野も≪ギルドラ≫やってるんだ?」と俺。
「宇陀川たちもハマってて話合わないし
俺はフリック
「うーん、
≪ギルドラ≫はケータイの
「でもよ、攻略wikiにも情報無いってことは、まだ
俺は頷き言う。
「あぁ、ファーストゲットね。そうだね、プレミアガチャのチケットとか色々レアアイテム出るよね。しかし≪首無し≫はレア度[SSR+]か……かなり強いよ。キツイな」
「なぁに、こんなこともあろうかと俺は
「まぁ……知ってるけど……」
俺は
「それ、松波から
蛭田が
「あ、そうだったな!わりぃな!」
「宇陀川、忘れすぎ」
普段無口な毒島が、ぼそっと突っ込む。
「ほら、宇陀川も謝ってるし許してあげなよ、松波!」
小笠原が俺に言う。自分がわけもわからず宇陀川にカードを渡してしまったことに少しは引け目を感じているようだ。
「わかった。もういいよ。もっと強いのゲットするから」
「そう、それでいいわ!男は上を
もうなんだかアホらしくなって来て「もう、なんだこりゃ。アハハハ!」と俺は笑ってしまった。すると吊られて皆笑い出した。
「ハハ!よーし、≪シン・バハムート[SSR+]≫を超える最強のカードを手に入れるぞ!見てろよぉ!」
「いいぞ!その
宇陀川が言う。なんだかコイツに言われるのは
「この≪首無し[SSR+]≫倒せばよ、いいの
「そうだね。この
「よし、決まりだ!後でネットでな!」
「じゃ」
俺たちは
俺は小笠原をチャリの後ろに乗せて、家へと向かう。小笠原が言う。
「なんだか宇陀川たちとも打ち解けたみたいで
「まぁね。良かったんだか、悪かったんだか……」
「良かったわよ。ところで、そんなに
「そうだね、
「そうなんだ?私もちょっとやってみようかな?松波、教えてくれる?」
小笠原にそう言われると悪い気はしない。
「あぁ、いいよ。とりあえずアプリをインストールしてチュートリアルやってみなよ。
「うん。あんまりゲームやったことないけど、やってみるね」
空は
(少しだけ遠回りしてみよるかな?)
と思い、曲がるべき角を
「ここ曲がって」
と、すぐに小笠原が言ってきた。
「ごめんごめん、間違った」
俺は、なんだか考えを見透かされている気がして慌てた。
(
と俺は思う。小笠原をチャリの後ろに乗せているのは誇らしいようでもあるが、恥ずかしくもある。
「やっぱり
小笠原が
「ありがとう。ちょっとお尻が痛いけど楽だったわ」
言うと小笠原は、俺のチャリの
「あぁ、うん。
なんと言って良いかわからず俺は
「ギルドラやってみるね。わかんないとこあったら教えて」
「うん……それじゃLINEの……ID
「ん?」
小笠原が小首を傾げた——
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