第六話 廃工場
「もう、
「このロープから入らないで」
若い
ブルーシートが川からの風を受けてバサバサと
「ふーん、ここか」
宇陀川が言う。
「死体が見つかったって、どんな死に方だったのかしら?」
「どうなんだろう。ニュースサイトには細かいことは書いてなかったけど」と俺。
数分ほど、俺たちはその
宇陀川が
「しかしまぁ、あれだな。近寄れもしねぇし、『
宇陀川としてはちょっと
「なんだか、
小笠原がポツリと言う。宇陀川、浅野、蛭田、毒島、そして俺、皆が同意見とばかりに
「ふぁーあ!っと。こんなもんかぁ。
宇陀川がアクビ混じりに言ったその時——
ブルーシートの向こう側から、くたびれた黒いスーツの男が出て来た。歳の頃、三十くらいか。鋭い目つきに
「あ、やべ!あの人、
宇陀川が慌てて帰ろうとすると、その男がすかさず
「おい、宇陀川。何やってんだ?」
宇陀川の
「あ……
宇陀川は普段学校で見せたことの無い、たじろいだ様子で言った。
「相葉さん、チワっす!」
蛭田と毒島も
「
「ちょっと!聞こえるわよ!こんな警察ばっかりの場所にヤクザがいるわけないでしょ?ほんと、あんたはお
浅野が答える。
「へぇ、警察。だから宇陀川たち、いつになくかしこまってるのね」と小笠原。
「何も知らないお
相葉は宇陀川に言う。
「で、何こんなとこチョロチョロしてんだ?」
「いやぁ……偶然通りかかったって感じですかね……。たまたま警察の皆さんがお
宇陀川が歯切れ悪く答える。
「ふーん、そうなのか?」
相葉が
「相葉さん、ほんとたまたま通りかかっただけなんで……」
宇陀川がバツが悪そうに言う。
すると警察の
「ところで何があったんすか?」
「ん?死体が見つかったってことだな。ひでぇもんだったぜ、ありゃぁ……まぁ、今のところは細かいことは言えんがな。……ところで宇陀川よぉ?」
「なん……すか?」
「
相葉は
「相葉さん、なんか俺のこと
宇陀川が額に汗を浮かべ、つとめて
「……」
その時、宇陀川、浅野、俺、蛭田、毒島のケータイがほぼ
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