第四話 エンカウント
「おぅ!
ドスの効いた
「アハ!もうっ、
と、女の明るい声もする。
宇陀川の後ろには、
「何か用かよ。カードならさっきやっただろうが」
俺が
「あぁ?なんだお前、俺に
宇陀川は、その
「やめなよ、松波」
と、
だが俺は聞く気は
「
宇陀川のこめかみが怒りでヒクつく。
「あーん、松波。テメェ、
宇陀川がチャリから降りると、俺の目の前に立った。怒りに
「やっちゃいなよ。そいつ宇陀川のこと舐めてるよ」
浅野がチャリを支えながら言う。
「浅野!アンタけしかけないでよ!やめて、宇陀川」
小笠原が言うと、宇陀川は少し
それを見た浅野は
「ウダ、やっちゃいなよ。示しつかないよ。みんな見てるし」
後ろで成り行きをニヤニヤと笑いながら眺める、蛭田と毒島を
「浅野!やめなさいよ!」小笠原が言うと、
「はぁ?うるさい。あんたに
「なに、あんた!」
「アンタこそ、なによ!」
浅野と小笠原も、どんどん険悪になっていく。浅野は、宇陀川が小笠原に気があることを感じて、小笠原をライバル視しているのかもしれない。
「あーん、なんだこりゃ?しょうがねぇなぁ……」
その
「おい、松波。女たちまでケンカになっちまったぜぇ?もとはと言えば、お前が俺に舐めた口聞きやがったせいだよなぁ、あ?」
「……」
なんだ、宇陀川どうするつもりだ?俺は注意深くヤツの表情を見る。
宇陀川は急にニヤリと笑った。
「とはいえだ、
睨み合う小笠原と浅野に視線を向けると言う。
「おい、お前らも
「え?なによ、ウダ。やめるの」
浅野が
「そう、やめだ」
宇陀川は、俺と小笠原を舐めるように見た。
(コイツ、何か考えてやがるな……)
と俺は思う。まだ宇陀川への
「さて、
宇陀川は、屈託のない笑みを浮かべて言った。
「そう、それならいいわ」
小笠原もニコりと応じる。宇陀川の狙いが読み切れない俺は、まだ用心深くヤツの表情をうかがう。
「松波、いつまでも怖い顔してんなよ。俺が悪かったって言ってんだろ?」
宇陀川はわざとらしいオーバーアクションで肩をすくめた。
「まぁ仲直りしようぜ。そこで
「レクリエーション?」
俺は
「そう、楽しい楽しいレクリエーションだ。『
宇陀川はニヤリと笑って答える。
「肝試し?こんな
俺が言うと、宇陀川は視線を左へ移して言う。
「あぁ、いい
皆が宇陀川の視線の先を見た。
今いる川沿いの
「あれって……」
小笠原がつぶやく。それを受けて宇陀川が言う。
「知ってるだろ?今、この
「変死体が見つかったところか……」
俺が言う。
「へへ。そう、
宇陀川はそのブルーシートの張られた
「でも近づくなって、かおり
「はは、いい子ちゃんだな。
「どうするの、松波?」
小笠原が俺を不安げに見た——
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