報告
報告①
【日付】
2××××/3/××
【宛名】
アリゾナ州スウェルン研究所
昆虫遺伝子解析部主任研究員ラオネル・フィッシャー様
【差出人】
病害蟲防除技術センター
大量増殖部ミバエ・特殊病蟲班 統合室長クリプトン・ワグナー
(内線 0X-×××××)
【タイトル】
病害蟲防除センターにおけるバイオテロの件につき、下記の通りご報告いたいします。
【記】
1・●●県▽h市××-▽△病害蟲防除技術センター
日時:2××××/3/××に置いて、アリモドゾウムシ・イモゾウムシの大量増殖プラントにて増殖中の二種の昆虫の全滅が確認された。
増殖に使用されていたコンテナは一定に気温・湿度に保たれており温度上昇による死滅は考えにくい事から両昆虫の体液を電子顕微鏡で観察するために各コンテナより雄雌を100サンプル採取しシーケンスを実施する様に特殊蟲担当研究員:赤又楓(AKAMATAKAEDE)に指示した。
翌日、赤又研究員に報告書を提出させ精査したところ被害金額が3万ドルに達した為、規定にのっとり地元警察に通報した。
その日の午後には、疑いのあったミバエ班の担当研究員:小橋川治(KOBASIGAWAOSAMU)及び補助員:玉城圭(TAMAKIKEI)の両名が任意で連行されたが補助員:玉城はすぐに釈放されたが小橋川研究員は一時拘束の後、こちらが検察に提出した情報に誤りがあった事が判明し釈放された。
訂正および詳細数値の修整の終わったデータをもって、移動中に本件のバイオテロがあった事を知り現地に戻るも建物内が封鎖されており外からの侵入が困難と判断しモニターでの観察を行う。
以降は、増殖棟に設置された音声の無い定点カメラと各階の防犯カメラの映像により映し出された内部の様子と当時建物内にとどまっていた新人補助員:砂辺鳴海(SUNABENARUMI)の証言を参考に記載するものである。
2・日時:2××××/3/××
16:35 ウリミバエの不妊化の為、セットアップされていたコバルト60の溶解炉の緊急停止ログの確認。
17:26 身柄の安全の為、待機を指示していた補助員:砂辺が赤又研究員と補助員:玉城に拘束されたのを確認。
23:38 監視カメラ映像より補助員;砂辺が小橋川研究員と行動しているのを確認。
23:42 小橋川研究員と補助員:砂辺が監視室侵入したのをを確認。
橋川研究員と補助員:砂辺が監視室への侵入を確認してから、約4時間の施設内の映像が遮断されたのを視認。
4:30 ヘリポート定点カメラ映像に、着陸する定期散布のヘリコプターを確認。
4:50 ヘリ操縦士が、小橋川研究員に薬品のようなものを吹きかけられ意識を失ったのを確認。
4:59 メンテナンス用の出入り口を使用したと思われる補助員:砂辺と口論の末に小橋川研究員は武力拘束されたのを確認。
5:10 一階正面フロアを通過する補助員:玉城を確認。
5:13 県警の警察官の立ち入りを確認。
小橋川研究員・赤又研究員をそれぞれ連行および補助員:砂辺の保護を確認。
3・今後の対策
今回のバイオテロ未遂により、近隣住民の反発及びメディアに大々的に取り上げられる事態となり同施設の閉鎖移転が決定し候補地の選定が確定した事を受け重要データのエクスポートを開始する。
現在、増殖作業を行っていたウリミバエ・アリモドキゾウムシ・イモゾウムシの製造を中止し全てのプログラム及び個体は破棄される。
これによって、定期散布は全て終了となる。
今後、根絶の確定をされているウリミバエの定期散布の再開の予定はない。
この影響により、根絶宣言のされたウリミバエが再度この国に侵入した場合に感知する事は不可能となるだろう。
4・【Messiah計画】の進捗に対する影響
このバイオテロ未遂の影響で、この日本における【Messiah計画】は一時凍結される事が望ましい。
この事態を招いた要因は、進捗を急ぐあまり人選を誤った事に加えその人物を管理しきれなかった前管理者のミスである。
5・押収されたウイルスについて
今回、警察に押収された試作品の【Messiah】については昆虫に散布されてから人体に感染しなかった場合死滅するようにプログラミングしている為、警察が専門機関に解析を依頼してもこちらまでたどり着くことはないだろう。
6・調査対象者
調査対象希望。
対象者:玉城圭。
三か月前に雇用された一般労働者。
雇用時に提出させた履歴書・職務経歴書のコピーを添付する。
取り急ぎ、この人物の調査を最優先事項にされたし。
7・調査対象者②
対象者:砂辺鳴海。
2週間以内の雇用の一般労働者。
雇用時に提出させた履歴書・職務経歴書のコピーを添付する。
この人物につては、無関係ある可能性が濃厚だが重要対象者である玉城圭と知人であることから調査を依頼する。
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