刺激的なタイトルに反する、かどうかには個人差があると思いますが私は読者をハメる罠に満ちた、ひとつの純愛のお話と読みました。
二度以上読むと印象がかなり変わります。ぜひお試しください。
「私」でいられる自由と「私」であることの不自由。
「僕」は、そして「私」はどのような付き合いの形を選ぶのでしょうか? いち読者として楽しみにしております。
これは女装して別の自分を演じている主人公が倒錯した恋愛模様を見せる、といういわば変化球のお話でしょうか?
いえ、実のところ筋としてはむしろタグにある通り「王道」であるのでしょう。王道も王道、むしろ正しくボーイ・ミーツ・ガールなのです。
この作品を大きく特徴づけているのはテキスト、特に地の文でしょう。現在のライトノベルならびにWeb小説――というより、恋愛アドベンチャーゲームのテキストを移植したような――そんな印象を私は受けます。
ですが、決して否定的な意味で述べているのではありません。
00年代、あの学園ものアドベンチャーゲームブームに沸き、最先端の才能が恋愛ゲーム市場に大挙したあの時代。あの時代の雰囲気を感じたことのある方にとっては、「そう! これだよ俺の求めていたものは!」となるかもしれませんね。
それにしても、カクヨムさんには女装ものの波がきてるんですかね?