　わたしは二本のベクトルの内積です。

　不意にそれは、天啓のように降りてきた。

　シンプルに、極々シンプルに、わたしは今なにをどうしたいのかと自分に問うてみたとき、どう考えてみても答えはひとつに収束していた。

　それでなんになる！　と、弱々しくわたしが叫んでいる。

　どうしてなんとかする必要がある？　と、わたしは静かに、力強く問う。

　誰の気持ちも関係ない。わたしはただ、わたし自身の気持ちに素直に行動したい。

　良いも悪いも知ったことか！　これはわたしの、わたしだけの気持ちだ！　と、わたしはわたしに通告する。

　後先なんか知ったことか！　これはわたしの、わたしだけの決断だ！と、わたしとわたしは手に手を取る。

　わたしとわたしは一致している。

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