例え話「鼻からスイカ」
例え話のなかで「鼻からスイカを出す」との言葉がある。
私がこれを聞いたときは出産の痛みのことであったのだが、痛みをイメージしやすいのかしやすくないのか絶妙なバランス感覚を感じることのできるお気に入りの例えだ。
皆さんはご飯を咳き込んだ事があるだろうか?私は昔慌てて食べる癖があったので、それでよく咳き込んでいたのだが、なぜか鼻の奥に違和感を覚え鼻をかむと少しの痛みと米粒が出てくるのだ。
春雨を咳き込めば春雨が鼻からずるり、牛乳を咳き込めば痛みと鼻腔に猛烈な牛乳臭さが残る。
経験したことがある人にとっては、鼻から食べ物を出す痛みはある程度想像しやすいのだ。
しかしながら前述の「鼻からスイカを出す」事をイメージすることは容易ではない、なかなか面白いので私なりの想像を書いてみる。
まずとてつもない痛みで動くこともままならないだろう、もしくは悶絶して転げ回るだろうか、はたまた気絶して卒倒するだろうか?痛いのは分かるのにどれ程の痛みかは想像できない...無念。
次に鼻腔がスイカにすっぽり塞がれれば、とても息苦しいのではなかろうか、片方の穴だけからスイカがでていても大きさのあまりもう片方の穴も押し潰すと思うと、鼻の穴は完全に封鎖されてしまうスイカによって地獄の息苦しさを味わうのだ。
そして中々出てこないのではなかろうか、何せスイカほどの大きさをポンっと一度に出せばきっと鼻はズタズタのボロボロになってしまう、ゆっくりゆっくり身の安全を確保しながら最大限時間をかける必要がある。
私のここまでの考えをまとめると、「鼻からスイカを出す」行為は
痛いことしか分からないが具体的な痛みは想像できない苦しみを味わいながら息苦しさを耐え抜き安全のため長時間鼻からスイカを出すことに苦心しなければならない
ということになる。
私の母もこれほどの痛みと子育てを乗り越えたのだと思うと、感謝だけでなく毎朝貢ぎ物を献上しても一生感謝しきれない。
早速明日から実践してもいいのだが、急に態度を変えすぎるのも気味悪がられるので、菓子を買って肩をもんで皿を洗ってお茶を淹れて一緒にゆっくりする時間をつくろうと思う。
それでも母は「急にどうした?」と気味悪がるか心配するだろうが、その時は「鼻からスイカを出す」ことに比べたら親切にすることなんて楽勝なもんさと笑って言ってやるのだ。
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