第37話 帰還と魔法少女。
「へっくしゅん!」
「守、大丈夫?」
「誰かが俺の噂してるな」
「どういうこと?」
「俺の世界にある変わった風習だよ。理由も無くくしゃみしたら誰かが噂してるってことなんだ」
「なるほど、確かに変わった風習だね」
「こほん。大王、本題に戻ってもよろしいでおじゃりますかな?」
クダラが、咳払い込みでマーベラスに話を戻すことを伝えた。
「話の腰を折って悪かった。いいぞ」
「俺もいいぞ。狙いは間違いなくここだけど心当たりはあるのか?」
メインパネルが映す大岩を見ながら言った。事態の収拾の後、司令室で開かれている緊急会議に参加しているのだ。
「そこに居るけど」
マーベラスが、椅子に座っているケバブを顎で指す。
「私がやったんじゃないぞ。私はそこの魔法使いを王座から引きずり降ろしたいだけで同胞を傷付けるつもりは毛頭ない」
ケバブが喋る度に、体のあちこちにノイズのような乱れが生じた。今後の話し合いも兼ねて立体映像という形で会議に参加しているからだ。
「本当であるか?」
バロッケンが、疑いの眼差しを向ける。
「本当だ。信じてくれ」
「そのおっさんの言うことは信じてもいいだろ」
「どうしてだね?」
「戦う際に俺の出した条件を受け入れて戦艦やロボットを無人にしたからだよ。ハンデとはいえ仲間をどうでもいいと思ってたらあんなことはしないさ」
「なるほど」
「分かってくれたか」
ケバブが、ほっとしたように表情を緩める。
「それなら犯人は別に居るということになるでおじゃりますな」
「あんな岩を落とせる奴って魔法使い以外で居るのか?」
「このドームを潰す程の大岩を召喚できる魔法使いが居るとしたら最高議長くらいだが、落とす理由が無いし」
マーベラスが、これまでになく険しい表情を見せながら言った。
「議長は王都のことは知っているのか?」
「知らないだろう。条約上ここに来ることはないんだから」
「来たことないのか・・・・」
言い終えた後、少し頭を下げて考え込んだ。
「クダラ男爵、バケツ用意できるか?」
顔を上げるなり、クダラに頼みごとをした。
「可能でおじゃるが」
「じゃあ今すぐ用意してくれ。試したいことがあるんだ」
「分かったでおじゃる」
クダラは、席から離れて、近くの工房でバケツを急造した。
「これで良いでおじゃるか?」
出来立てのバケツを差し出してくる。
「十分だ。それじゃあ親父さん、ここにマリルを呼んでくれ」
「どうしてだね?」
「これからやることの証人に必要なんだ」
「分かった。母さん、私だ。マリルは起きているか? それじゃあ司令室に連れて来てくれ」
マーベラスが、契約魔法を使って連絡を入れた後、マリューに付き添われたマリルが姿を見せた。
「守、どうかしたの?」
「ちょっとした実験の証人になって欲しいんだ」
「実験って?」
「これだよ」
最高議長からもらった指輪を外して、マリル達に見せた後に飲み込んでバケツを両手に持つなり、盛大にドス黒いものを吐き出していった。
そのあまりに凄惨な光景を前にして、その場に居る全員が顔を引きつらせたまま言葉を失った。
「守、それの黒いのって悪魔の物質よね」
初めに声を出したのはマリルだった。
「あの指輪は悪魔の力で出来てたんだろ」
「それを渡した議長は・・・」
その先は言うのが恐ろしいのか、言葉を詰まらせてしまう。
「最高議長は悪魔の契約者だ」
マリルが、言おうとしたことを代弁する。
「本当に議長が悪魔の契約者なの?」
「これを見れば分かるだろ」
返事をしながらバケツの中身を指差す。
「それはそうだけど・・・」
「仮に議長が悪魔の関係者だとしてどうやってここを狙えたんだ?」
「あの指輪が発信機でここの位置を知る為のものだとしたら?」
「私達を狙っていたのはカイサルだろ。どうして議長が狙うんだ?」
「分からないなら本人に聞くしかないだろ」
「いきなりそんなことを言って議長が取り次ぐとは思えないわ」
マリルが、苦言を呈してくる。
「じゃあ、どうしろっていうんだ? 次がいつ来るか分からないんだぞ」
「そうだな。それなら私が魔法の世界へ戻って直接話をしよう」
マーベラスの静かな一言だった。
「お父様、何を仰るのですか?」
「父さん、無茶よ」
「大王が行くことはないでおじゃります」
「我らが代理として参りましょう」
マリル達が、マーベラスの決断に反対意見を言っていく。
「私が戻れば議長も会って話しをしてくれるだろ」
落ち着いた声で戻る理由を説明した。
「だったら早い方がいいな」
マーベラスの考えに賛同する。
「ちょっと守、何を言い出すのよ」
「どの道はっきりさせなきゃならないし下手したら次が来るかもしなんだから早い方がいいに決まってる。親父さんが行けないなら俺とマリルが戻ればいいだけだからな」
「それがいいわね。お父様、私達が戻って話をしてきますからここでお母様と待っていてください」
「いいや、これは私達の問題でもあるんだ。お前達だけに任せられるわけがないだろ。私も行かせてくれ」
マーベラスの硬い意思を感じさせる重い声に対して、その場に居る全員が閉口して、反対意見を言うことができなかった。
「そうね。それなら早い方がいいわね」
初めに賛同の意思を示したのはマリューだった。
「お母様まで何を仰るのですか?」
「女王も賛同されるのなら麿が反対する道理はないでおじゃります。他の者はどうでおじゃる?」
バロッケンを筆頭にして、将校全員が手を上げていく。
「ケバブ殿以外全員賛同するというのですか?」
マリルが、映像のケバブを指差しながら問い掛ける。
「私はマーベラスの意見だから無視してるだけだぞ」
冷めた意見を言った後、自分用のお茶を飲み始めた。
「賛成多数ということで魔法の世界へ戻るぞ。ブラックダビデの準備を」
「はっ」
将校達が、一礼して司令室から出ていく。
「ケバブ殿、あなたはどうするのです?」
「私は空中都市で結果を待つことにするよ」
その言葉の後、ケバブの映像が消えた。通信を切ったのだろう。
「もうっ! みんなして賛成するなんてお父様の身を案じてないのかしら?」
マリルが、不満を声に出した。
「みんな、父さんの身を案じてはいるけど大王としての考えを尊重しているのよ」
「そうなのですか~?」
マリルに疑いの目を向けられてしまう。
「俺だって親父さんの身を案じてるぞ。だから早期に解決させようとしてるんじゃないか」
「へぇそうなんだ~」
目付きが変わらない辺り、信じていないのだろう。
「魔法の世界に行くと決まったからにはあなたも準備しなさい」
「準備ですか?」
「魔力補給よ」
マリューは、白い歯が見えるくらいに笑いながら言った。
それから司令室に大量に運び込まれた食事を、マリルは片っ端からたいらげていった。
「この食べっぷりってマリルの家系特有なんですか?」
「そうみたい、父さんも魔力補給は薬よりも食事だったし」
「悪魔との契約は関係無いんですか?」
「無いんじゃないかしら」
全然気にしていない感じだった。
「そっちに異常は無いよな」
「ありません」
リュウガからの返事が返ってくる。
次の大岩に備えて、従僕四人をロボットに憑依させた状態で、警戒に当たらせているのだ。
「守君も食べておきなさい。体力が必要になるでしょうから」
「は、はあ」
「お母様の料理は絶品だから食べないと損よ」
「それなら」
進められるまま一口食べてみる。
「うまい」
言葉通りのうまさで、クラウディアに引けを取らない腕前だと確信できた。
「ご馳走さま」
料理を残らず平らげたマリルの言葉だった。
「どうだった?」
マリューが、感想を聞いてくる。
「昔と全然変わらず凄く美味しかったです」
「良かったわ」
「守殿、ちょっと」
食事が終わるタイミングでクダラに手招きされて、司令室を出ると将校達が並んで立っていた。
「何かの儀式か?」
「そうではないでおじゃる。頼みがあるのでおじゃるよ」
「頼み?」
「大王、いやマーベラス様を無事に帰還させて欲しいのである」
「親父さんは信頼が厚いんだな」
「先代の王は実験の事故で妻子を亡くされてからいつか復讐する為に民を省みずに軍備の増強を続けてきたのでおじゃる。その後を継いだあの方は軍備を縮小しただけでなく跡目争いもほぼ平定された我らの大恩人なのでおじゃるよ」
「そういうことか。安心しろ。親父さんは俺が絶対に守るよ」
「頼んだでおじゃる」
クダラの言葉に合わせて、将校全員が頭を下げてくる。
「守、話は終わった?」
マリルが、入り口から顔を出して尋ねてきた。
「今終わったところだ」
クダラ達に頷いてから司令室に戻った。
「それでは行ってくる」
「大王、どうかご無事で」
「心配するな。話し合いに行くだけだ」
「お母様、行ってきます」
「気を付けて行きなさい。守君、二人を頼んだわよ」
「任せてください。必ず無事に帰してみせます」
自信を見せるように軽く胸を叩いてみせる。
その後、二人は右手で、マーベラスはワイヤーでそれぞれのロボットのコックピットに運ばれて行った。
搭乗を済ませ、格納庫に居るマリュー達に見送られながら王都から出た後、待機していた4機と合体した。
「ゲートを開けるぞ」
「分かった」
「分かりました」
返事の後、ブラックダビデが開けたゲートに入った。
ゲートから出た場所は、魔法庁舎の真上だった。
「庁舎は昔と変わらないな」
「それよりもこれからどうするんだ?」
左手の通信機を通して、マーベラスに指示を仰ぐ。
「呼び掛けて着陸の許可をもらってくれ。内容はお前達に任せる」
「分かりました。こちらはマリル・アウグストゥスです。ドワーフの大王を連れて来たので着陸の許可を願います」
マリルにマジンダムの外部スピーカーで呼び掛けさせる。
「マリル、マリルなのか?」
真っ先に姿を見せたジョバンが返事をした。
「そうです。私です」
「ドワーフの世界から戻ってこられたんだな。その隣に居る黒いロボットに大王が乗っているのか?」
「はい、それに付いてもお話します」
「分かった。許可しよう」
許可を得て中央広場に着陸し、大勢の魔法使いが集まってくる中で、コックピットを開けて外に出た。
「ただいま戻りました」
「どうも」
「よく戻った。それでそっちに居るのがドワームの大王なのか?」
一緒に外に出て、隣に立っているマーベラスを見ながら不可解な声で問い掛けてくる。大王でありながら、ドワーフとは全く違う姿をしているのだから当然の反応だろう。
「お前、ジョバンなのか?」
マーベラスが、少しばかり驚いたように問い掛ける。
「そ、そうだが」
「俺だよ、俺。マーベラスだよ」
自身を指差して存在をアピールする。
「マーベラス? マーベラスなのか~?」
驚きの声を上げた後、確認を取るように視線を向けてきたので、マリルと一緒に頷く。
「マーベラス、お前死んだんじゃ・・・」
「色々あって今はドワーフの大王やってるんだ。いや~懐かしいな。少し会ってない間にすっかりおじさんになっちゃって~」
完全に久々の再開を果たした同級生的なノリで話しながら肩を叩いた。
「お前だっておじさんだろうがっ」
いつに無く感情の籠った声で怒鳴り返した。
「あらあら、騒がしいこと」
クラウディアが、姿を見せた。
「クラウディア先生」
「戻ってくることにしたのですね」
「はい、あることがありまして」
「そうですか。マリューはどうしていますか?」
「ドワーフの世界に残しています」
「お母様、知っていたのですか?」
「ドワーフの世界に行った時に会っていましたから」
「それならどうして教えて下さらなかったのですか? そうすればややこしいことにならずにすんだのですよ」
「マーベラスとマリューが生きていることをあの場で知られない為です。知れば彼等を狙う者が手を出すかもしれないから」
「そうだったのですか、疑うようなことを言って申し訳ありませんでした」
「良いのですよ。今度はマリューも来られるいいですね。マリル」
「そうですね。ところでお父様」
「何?」
「なんだ?」
マーベラスとジョバンが同時に返事をした。どちらも父親なのだから当然の反応だろう。
「なんでお前が返事するんだよ」
「マリルの育ての親だからだよ」
「マリルの養父やってたんだっけ。けどマリルとは親子に戻ったからもう父親である必要はないからな」
「な、なんだと?」
「マリル、もうジョバンのことお父様じゃなくておじさんでいいぞ。おじさんで~」
「これまでたくさんお世話になったのですからそんな邪険な呼び方なんかできません」
「よく言ったマリル。私は嬉しいぞ~」
ジョバンは、目に涙を浮かべるほどに大喜びした。
「ジョバンがお父様なら私はどう呼ぶつもりだ? ジョバンと同じは嫌だぞ」
「えっと~」
困惑した顔で、言葉を詰まらせた。どちらも傷付けずに済む言葉が見つけられないのだろう。
「だったらパパは?」
助け船として、違う呼び名を提案してみる。
「パパって何?」
マリルが、真顔で聞き返してきた。意味を知らないらしい。
「人間世界にある父親の呼び方の一種だ」
「だったら私、パパでいいや」
マーベラスが、真っ先に名乗りを上げた。
「お前は実父なのだからお父様でパパは私だろ~」
二人は、子供のような言い合いを始めた。
「ほんとに二人共子供なんだから」
クラウディアが、笑いながら言った。
「もうっ余計ややこしくなったじゃない」
マリルが、噛み付くように文句を言ってくる。
「俺は違う呼び名にすれば解決すると思って言っただけだぞ」
「まったくお二人共、その話は後にして今は最高議長と話をさせてください」
マリルが、子供を叱咤するような厳しめの声で呼び掛けた。
「そうだった。ジョバン、最高議長と話せるか?」
「今、許可を取ってみる」
ジョバンは、左手のブレスレットで連絡を入れた。
「マリル、マリル。今の内に私のことパパって呼んで。あいつより先に呼ばれたいんだよ~」
話ている最中のジョバンを指差しながら言った。抜け駆けするつもりのようだ。
「ちょっと待った~! 許可が降りたぞ。議事堂へ行こう」
ジョバンが、鬼のような憤怒の形相を浮かべながら割り込んできた。
「ちぇっ」
「お前達はどうするんだ?」
「私達も証言することがあるので同席します」
「分かった。付いて来い」
その後、マジンダムから離れた精霊を連れて議事堂へ行った。
話し合いは、議事堂内にある聴衆用の大ホールに行われることになった。マリルの証人喚問の時と違い疑いを晴らす為ではないからだ。
初めはマーベラスが壇上に上がって、ドワーフの大王になるまでのいきさつを話し、次に守が壇上に上がって、隕石のことを言わずにマーベラスと戻ってくる経緯に付いて話した。
「君の話はよく分かった。それでは鋼守の言ったことが本当なのか確認を取る為に証人としてカイサル・フローレンスをここへ連れて来るのだ」
審問の時と同じく司会を勤めているクラウドが、カイサルの召集を命じ、ホムンクルスに連れられて、悪魔のままのカイサルが姿を見せた。
その為なのか、体に鎖が巻かれていて、囚人というよりは危険な猛獣のようだった。
「実姉のフローラの復讐にマーベラス一家を暗殺しようとしたのは本当か?」
真ん中に移動した証言台に立つカイサルに向けて、クラウドが質問する。
「そうだよ。憎いあいつを殺したくて屋敷に爆裂魔法を撃ってやったのさ。まさかドワーフの世界で生きていたとはな」
話ながらマーベラスに向ける視線は、憎しみに満ち溢れていた。
「もういい」
その声は、聴衆席に居るカイサルの父親からのものだった。
「カイサル、もう終わりにしよう」
父親は、杖から光の矢を発射した。
「させるか!」
証言台から飛び出し、カイサルの前に着地するなり、妖精の光を出して矢を防いだ。
「今すぐ拘束しろ!」
クラウドが命令を出すなり、近くに居た魔法使い達が父親を拘束した。
「連れて行け」
ホムンクルスに引き渡されて退場した。その顔に生気は無く、人形か能面のようだった。
「何故助けた?」
「大事なことを証言してもらわないといけないんでね」
「それはなんだ?」
「最高議長が悪魔の関係者かどうかってことだ」
その質問を口にした瞬間、ホールから一斉に非難の声が上がった。
「静粛に! 静粛に! 鋼守、今の議長に対する無礼な発言はどういうことかね? 返答次第では君を連行することになるぞ」
「ドワーフの王都を潰せるくらいの大岩が落ちてきたんだよ。それができるのは議長だけって話だったし、俺がもらった指輪は悪魔の物質で出来てたんだ」
「証拠はあるのかね?」
その質問を受けて、視線を向けたマーベラスが頷いた後、懐から小さな球体を出した。
「それは?」
「記録した映像を投影する装置です」
説明を終え、装置を天井に掲げると王都に落下していく大岩に続いて、指輪を飲み込みバケツに黒い物質を吐き出す守の姿を映し出した。
それを見た聴衆は、驚きと気持ち悪さを同時に味わい、顔をしかめていった。
「見た通りあんたからもらった指輪を飲んだら悪魔の物質が出てきたんだけどこれをどういうことか説明してもらおうか」
微笑みを崩さない議長に向かって、直接質問を突き付ける。
「私が説明してやるよ」
カイサルが、説明役を買って出た。
「どういうことだ?」
「あの、うわああぁぁぁ~!」
話し出した瞬間、カイサルの全身が黒い波動に包まれ、体が崩れ出した。
世界樹の光を出した右手を差し出したが、その時にはカイサルは灰になっていた。
「くそっ」
「今のはいったい何だ?」
クラウドが、戸惑いながら問い掛けてきた。
「恐らく悪魔の力だろう。鋼守とマーベラス、マリルを捕らえよ」
議長が、静かな声で命じた。
「しかし議長、彼等がやった証拠は・・・」
クラウドが、焦った様子で問い掛けた。
「聞こえなかったのか? 捕らえよ」
重く静かな声による返事だった。
「はっ三人を捕らえよ」
クラウドの命令で、ホムンクルス達が近付いてくる。
マーベラス達に目を向け、頷き合った後、転送魔法で移動した。
移動した場所は、マジンダムの前であったが、すでに多くの職員が回りを囲んでいた。
「無駄な抵抗は止めて大人しく投降しろ」
姿を見せたクラウドが、警告を告げる。
「投降したらどうなることやら」
へらず口を叩く。
「では仕方がない。やれ」
クラウドが、捕縛行為を命じ、魔法使い達が杖を構えた瞬間、周囲を遮断するように光の膜が発生して、魔法を消失させた。
「今の内に乗りなさい!」
目の前に現れたクラウディアが、マジンダムに乗るように言ってきた。
「分かりました」
言われるまま、マリルの転送魔法でマジンダムに乗った後、クラウディアとメルルが入ってきた。
「姉様?」
「メルル?」
姉妹が、互いの存在を認め合う。
「今はここから脱出するのが先だ」
通信機からマーベラスの声が、入ってきた。
それからブラックダビデの開けたゲートを通って、魔法の世界から離れた。
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