幕間 『白い場所から』

 東京、新宿、国立病院。

 白の壁、白衣、白いシーツ。それから、体中に巻かれた白い包帯。

「う……うぅ……ああ……」

 細い体躯を折り、握った拳がシーツに幾重ものしわを作っていた。

「この激痛は……皮膚組織の再生に伴うもの……。それだけの、こと……」

 しんしんと降り積もる雪のように、なにもかも覆い隠された白い世界の中で。

 ――ザザッ……こちら、東京・新宿! ! ……何者か……ザッ……より、街は……

 持ち込んだ黒色のラジオだけが、現実感を流していた。

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