第2話 彼女
私が廊下から戻ってきたときに、もう1度すれ違った。
その時、『おはよう』と返してきた。
だから私は笑顔を返した。
彼女の名前は、爽良。
小動物のようなふわふわした見た目と、儚げな雰囲気で入学当時はクラスの中で話題になったくらいだ。
でも、うちのクラスには暗黙の了解があった。
彼女との出会いは、中学の時。
今年でもう4年目になる。
彼女は変わってしまった。
彼女はいつも本を読んでいる。
彼女はよく下を見て歩いている。
彼女は声が出せない。
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