第3話 中学のときのはなし
彼女が転校してきたのは、中学二年生の春。
始業式の日。私が学校についた時には既に、扉の周りに人集りができていた。
人を押しのけ最前列へ出る。扉には、生徒の名前が記されたA 4の紙が1枚、ただただそこに貼ってあるだけだった。
なにかおかしなことでもあるのだろうか、と細部までまじまじと見つめる。
小学校から同じメンバーの、やはり見覚えのある名前ばかりが記されていた。
だが、その中に一つだけ、知らない名前があった。
「佐藤 爽良」
その名前に、目が釘付けになった。
一見どこにでもありそうな名前のはずなのに、なぜ惹かれたのかは分からない。
けれど、その名前は始業式の間、私の頭から離れてはくれなかった。
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