第7話 私の好きな人

私の好きな人。ー1ー


藤宮くんに振られてしまった。


まさか彼女ができてしまっていたなんて。


「透子、大丈夫?」


「ありがとう、ユキちゃん。ごめんね」


「なーに言ってるのよ!しっかし、藤宮くんも愛未もひどいなぁ」


「二人は悪くないよ」


自分の気持ちが分からなくて皆を振り回した私が悪い。


「透子は自分のせいにしすぎ」


「ユキちゃん・・・」


「次の新しい恋探そ。協力するからさ!透子は幸せにならなきゃだめ、絶対」


「ありがとう・・・」


心がボロボロになる。


教室に戻ったら一人になる。


嫌・・・だな。


私はたくさん失った。


こんな気持ちで学校毎日行くの辛いよ。


「透子ー?もう良いの?」


「ごめん。食欲無くて・・・」


私はその日、夕飯を残してしまった。


大好きなオムライスを食べる気にもなれなかった。


「こんなビンゴとか意味なかったじゃん」


私は部屋に戻り、ビンゴの書かれたメモを破ろうとする。


だけど


「何で破けないの!」


私はその場で泣き崩れる。


全部全部辛い思い出になるのは嫌だ。


あんなに楽しかったのに。


「失ってから気付くとか私、バカだ」


本当にバカ。


気付いたらこんなにも好きになってたんだ。


「もう、遅いんだ・・・」


だめだな、私。


もう、恋愛なんてしたくない。


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