気付いてしまった。ー15ー
だけど
帰る途中に藤宮くんからLINEが。
(透子先輩、もう会うのはやめましょう。お弁当、今迄ありがとうございました。)
え!?
(藤宮くん、どうしたの!?)
私は慌てて返信する。
(もう貴方に嫌気がさしました。もう俺に関わらないでください。前々から面倒くさいって思ってたんです。もう俺に遠慮しないで藤堂先輩と上手くやってください。さようなら)
藤宮くん・・・どうして急に!?
「何で、何でよ。私、ようやく気付けたのに」
どうして・・・冗談だよね?
藤宮くん。
どうして?
何で急に・・・。
明日、ちゃんと話そう。
何かあって機嫌を損ねているだけかもしれない。
そう、だよね?
藤宮くん・・・。
お願いだから・・・
だけど
翌日、私が教室に行くとLINEを入れてから藤宮くんの教室に行った時だった。
「藤宮く・・・」
え・・・
私は持っていたスマホを落とす。
藤宮くんは一年生の女の子とキスをしていた。
藤・・・宮くん?
「ごめんなさい。透子先輩。俺、この子と付き合ってるんで」
藤宮くんはにっこりと笑って彼女の肩を抱き寄せ、言った。
「だから、もう終わりにしましょう」
嘘・・・
何かの冗談だよね?
どうして、どうしてよ。
ああ、そっか。
私も立夏と同じで遅かったのかな。
「そっか。ごめんね。バイバイ」
私はスマホを拾うと、走って逃げ出した。
涙が止まらない。
また、だ。
また私は失恋をしたんだ。
「透子?」
「ユキちゃん・・・」
私はユキちゃんの教室に行き、ユキちゃんに抱きつくと泣き叫んだ。
私はたくさん失った。
こんな苦しいなら恋なんてしたくなかった!
あんなタイミングで気付きたくなかった。
藤宮くんへの気持ち。
悪いのはずっともだもだしていた私だ。
皆をたくさん振り回した罰なんだ。
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