はじめてのおべんとう。ー5ー

放課後になると、藤宮くんがまた教室に来た。


「透子先輩!」


「藤宮くん!」


「一緒に帰りたくて来ちゃいました!クレープ一緒に食べに行きましょう!」


「クレープ!もしかして駅前にできた?」


「はい!」


「行く!超行きたい!」


クレープずっと行きたかったんだよねー!


超高まる!



「透子先輩は苺クリームですか?」


私達は駅前にある新しくできたクレープ屋でクレープを食べる。


甘い!たまらない。


「うん!藤宮くんは?」


「俺はバナナ!やっぱり疲れた時は甘い物に限ります」


「確かに。私、5限から体育でさ。ドッジボールで超最悪だった」


「ドッジボールお嫌いなんですか?」


「うん。ボール当たると痛いから怖くってさ。私、実は運動苦手なんだ。水泳くらいしか出来ないよ?」


「透子先輩のスク水・・・」


「藤宮くん?」


「何で高校はプールの授業無いんだろう・・・見れないじゃんか」


「そ、そんな色っぽくないからね!私」


「でも、可愛いですね?ボールが怖いとか。俺が同じ学年だったら透子先輩ばっか狙っちゃいそう。ビビらせたくて」


「ドSか、君は!」


「俺、嫌だな。学年違うの。透子先輩と会える時間、少ないじゃ無いですか」


「藤宮くんが同じ学年かぁ。面白そうだね」


「はっ!透子先輩が留年すれば、叶うな」


「ふ、藤宮くん!無茶言わないで」


「それくらい一緒にいたいんです」


一緒にいたいって・・・


「あ、ありがとう。私なんかに懐いてくれて」


「俺は犬っすか!もう、透子先輩は鈍感だぁ」


「ふふっ。藤宮くんは可愛いね」


「あっ!透子先輩、クリームついてます」


「へ?ど、どこ?」


私が鏡を探そうとした時だった。


藤宮くんは私の頰にキスした。


「ふ、ふ、藤宮くん!?」


「あんまり子供扱いすると、次は唇にしますよ?」


藤宮くんはにやっと笑って言う。


「せ、先輩をからかわないの!」


「ふふっ。透子先輩、顔真っ赤」


「ふ、藤宮くんがいけないの!」


「先輩、可愛い」


この小悪魔後輩ーっ!!

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