はじめてのおべんとう。ー3ー


「でも、藤宮くんはお母さんにワガママ言っても良いと思うよ?」


「えっ?」


「血は繋がらなくても家族だもん。気使わないで何でも言って欲しいと思うよ?」


「俺は怖いんです」


「怖い?」


「俺は捨てられたから、自分の親に」


「藤宮くん・・・」


「重い話してすみません。そうですね。夕飯に野菜炒め出されたら正直しんどいし。それくらいは言っておかないといけませんね」


藤宮くんは重い過去を背負っているのかな?


家族の話をする時だけ、切ない表情をする。


結構苦労しているんだなぁ。


「わ、私で良ければ話聞くから」


「ありがとうございます!透子先輩。やっぱり先輩はお優しいですね」


「そんな事無いよっ」


「透子先輩に甘えても良いですか?」


「えっ?あ、甘える?」


「はい。俺、甘えられる相手いないんで」


「う、うん!分かっ・・・」


藤宮くんはいきなり私の膝を枕にする。


「ふ、藤宮くん!?」


「透子先輩の膝、寝心地良いですね」


「あ、あの?」


「ずっとこうしてたいなぁ」


やっぱりわんこみたい。



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