その後輩、小悪魔ですよ。ー17ー


「透子先輩、ありがとうございます。庇ってくれて」


「良いの!あいつ、オヤジみたいに過保護なの。うざいよねーっ」


「でも、透子先輩は藤堂先輩が好きなんですよね?」


「へ?わ、私が!?」


「分かりますよ。あの愛未って人と藤堂先輩は気付いてないみたいだけど。バカだな」


「ふ、藤宮くん?」


「透子先輩を傷付けてるのに無自覚なんて残酷だ」


「わ、私は大丈夫だよ?」


「大丈夫なら何でそんな辛そうな顔なの?」


「あれ・・・」


頰に涙が伝うのが分かった。


私、何で・・・。


後輩の前でこんな・・・。


「俺の前では我慢しないでよ、先輩」


「藤宮くん、ごめん・・・ごめ・・・」


藤宮くんはいきなり私を抱きしめた。


「俺なら先輩を泣かせない!もう泣かなくて良いように俺が何とかします。だから、安心してください」


「藤宮くんはどうして私にこんな・・・」


「今度は俺が救いたいんです」


それって・・・?


私、春名透子・・・16歳。


いつもと違う一年になる予感がした。


早く、忘れてしまいたい。


そして、私は違う誰かを好きになりたい。


もう、立夏はいい・・・。


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