その後輩、小悪魔ですよ。ー6ー


待ち合わせ場所は駅前。


だけど、化粧慣れしてない私はすっぴんで栗色の髪はいつも通りサイドテールにしている。


ユキちゃんに化粧とつけまやってあげると言われたけど、私はユキちゃんと違ってギャル系になりたいわけではない。


他の二人もちょっと化粧してるけど・・・


このままで良いよね?


私はドキドキしながらユキちゃん達と駅へ。


「ユキー!」


「あ、たっくん!」


ユキちゃんは彼氏の元へ。


相変わらず派手!


金髪だし・・・。


ユキちゃん、中3の時から付き合ってるんだよね、彼と。


他の男子は意外と普通だ、良かった。


ん?


一人だけやたらとアイドルっぽい子が。


確か、さっき愛未と話してた子だ。


立夏から生徒会に誘われたのに断ってた子。


藤宮和樹・・・だっけ。


こんなかっこいいのに合コン行くんだ。


彼女いないもんだと思ってた。


「行くよ、透子!」


私達は合流すると、カラオケへ行った。


何歌おっかな。


やっぱりアイドル系か?ここは。


「ユキの彼氏の太一でーっす!今日は皆、よろしくぅ!」


カラオケルームに入るなり、自己紹介タイムが始まった。


自己紹介・・・ね。


「春名透子です。趣味はゲームとカラオケです。よろしくお願いします」


私は淡々と自己紹介をする。


ノリ良くとか無理だなぁ。


目立つ自己紹介なんて思いつかなかった。


部活をやっているわけでもないし。


目立たなきゃだめなんだろうけどね、こういう場は。


「藤宮和樹です。趣味は写真と映画鑑賞。こういう場は緊張しますが、頑張って盛り上げていくんで、宜しくお願いします!」


彼はニコニコしながら言った。


なんか、わんこっぽい。


可愛らしい爽やかな後輩って感じ。


弟にしたい感じの子だなぁ。


女子皆きゃあきゃあ言ってるけど。


「じゃあ、席替えターイム!」


自己紹介が終わると、席替えが始まる。


適当な所で良いや。


私が端の席に座ると、隣に誰かが座った。


「宜しくお願いしますね、先輩」


ーー藤宮和樹。


「よ、宜しく」


まあ、話しやすそうな子で良かった。


他の男子はチャラいノリの男子ばっかだし。


にしても、近くで見ると可愛い顔してるなぁ。


こりゃあ女子が騒ぐわ。


「春名透子先輩・・・でしたね」


「よく覚えてたね、私の名前!」


「はい!ちゃんと覚えてます」


「意外だよね。君みたいにいかにもモテそうな子が合コン、なんてさ」


「そうですか?それは先輩ですよ。二年の中で一番行かなさそう。派手じゃないし」


「まあ、初めてだね。合コンは」


「出会いたくなったんですか?」


「ま、まあそんなとこ」


ストレートに聞かれると、困るなぁ。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る