第11話 縛られたい
「私ね、中学3年生のころだったと思うけど、ママの手頸に赤い痕があるのを見つけて、それどうしたのって聞いたの。そうしたら、ママは真っ赤になって恥ずかしそうに、買い物で重い荷物を手に掛けたから痕がついたみたいといって隠していた。高校生になってある時、パパの本棚に女の人が縛られている写真が載っている本を偶然に見つけたの。それでママはきっとパパに縛られていたんだと思った。それを思うと身体が熱くなった。だから今でも縄を見るとゾクッとするの。どうして愛し合っているのに、そんなことするのだろう」
「男と言うのは愛する女を自分のものにしたい、そして服従させたい、やりたいことをしたいと思っている。縛るというのは相手の自由を奪うことで、服従しかない状況におく。そして自分のものとして思い通りに、やりたいことをすることによって、その所有感、満足感に浸る。一方、女というのは、誰かに愛されたい、独占されたいという願望があるのではないのかな?だから服従を迫られると、それは独占されることになると思い、その満足感に浸れるのではないのかな?」
「私は、よく分からない」
「パパ、今度、縛ってみて」
「うん。この前、無理やり奪ってみてと言われて試したとき、抵抗されてとても大変だった。はじめに縛っておくと随分楽だろうと思った」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます