第5話 転職のススメ

 看護師になろう


 またそう決めたのはその年の秋


 実際には看護師ではなく働けないか

 そう新しい看護部長に伝えた

 もう看護師じゃなくなりたい

 ハローワークの人に勧められたけど

 そんな自信もうないんです、と


 それだけ看護師をやる気がしなかった

 看護をできる気がしなかった


 だけど私は一応今看護師をやっている。看護部長さんの采配で周りの先輩もだいぶゆっくり教えてくれて今じゃ夜勤も必ず月3回はやる、時々5回やるようになった。というかもうここに来てからあっという間に3年になろうとしてる。3年看護学科に行って、3ヶ月で辞めてきて、ここに3年。


 やっとの思いで看護師になって

 資格試験を受かって

 看護師免許を手に入れて

 病院に勤務して挫折して辞めて

 自分と同じ人がどれだけ多いか

 同じ学校の子も十何人くらいは知ってる


 転職のススメ

 自分に合った働き方のできるところへ

 療養・回復期病院や施設や在宅へ


 自分ができなかったことを棚にあげて

 職場悪かったんだ、というわけではなく

 自分にできることがまだあって

 場所が変われば大丈夫だと気付いてほしい


 もちろん転職先がみんないいところ

 というわけでもない

 場所によって大きく変わるのが病院だし

 伝統や習慣が染みついている

 だけど今のところでシミになるより

 いいかもしれない

 疲れて潰れて自分を追い込みすぎないで

 場所も人もいくらでもいる

 勝手に自分で完結させない

 自殺まで考えるくらいなら

 転職した方がいいと私は思う


 と今になって言える

 転職当初は不安で

 また同じことをくりかえす

 また人を信じられなくなる

 なんて考えた


 でも今転職してよかったと言える




 今日の言葉

 縁は意外と見落としている

 理由はなんであれ辞めたんでしょう?

 どこで働いてるんですか?

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