第4話 辞めるということ

 看護師を辞める

 そう決めて実行するまでの時間

 したくてもできなくされる

 つまりは

 辞めさせてくれないのだ

 看護部長に会えなくなる

 辞めたいと言えないのだ

 それでも相談する人はいっぱいいた

 休む

 病気の理由だと病院に来いと言われる

 そこが医療系の休めないところだ

 プリセプターと師長と教育部長に相談

 信頼なんてできなかった

 みんなてんでバラバラの意見

 ぐるぐる悩んで迷ってふらふら歩いた


 その頃病院にたどり着けなくなっていた

 たどりついても泣いてしまって

 仕事ができなかった


 朝早く家を出て自転車で走って、夏のあっつい道路でひたすら悩んで泣きながら遠回りをして、知らない道を歩いてただそうやって一日中彷徨ったこともある。


 嘘をつかれた

 騙された

 私はプリセプターにすすめられて

 精神病院に行こうと決めた

 病棟に電話した

 自転車で1時間もするところ

 やっと予約がとれてたどり着いた

 中に入れなかった

 タイミングを見計らったかのような電話



「何勝手なことしようとしてるの?」



 副看護部長からだった

 私は怒った

 もう感情がバラバラだった

 泣いたらいいのか笑ったらいいのか

 そして私は辞めた




 今日の言葉

 辞めたいでしょ?辞めますとは聞いてない

 診断書がないなら、サボり。納得できない

 どうして頑張れないんだろうね?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る