第4話発見
無事駅につき、切符を買おうとした。
お金は充分余っていて、子供料金で買うので問題無いだろうと思っていた。
だがここで、大変な事に気づいた。
帰るための電車が分からないのだ。
行く時は丁度きた電車に乗り、次の駅に降りただけだが、帰るときは適当に乗ると知らない場所に行くことがある。
不安の中駅員さんが目に入った。
「すいません。この駅に行くにはどれに乗ればいいですか?」
目の前の駅員さんは、僕達2人をじっと見る。
「君達2人だけで来たの?ちょっと色々聞いていいかな?」
「え……」
僕達は親に内緒で出てきたんだ。
もしかしたら親に電話をするのか。それとも警察のところに行くのか。
僕達は互いに目を合わせ不安げになった顔を見せ合う。
「ははは!!そうか。冒険か。俺もそう言うの憧れていたな。」
怒られると思っていたが大丈夫そうだ。
「おじさんは家出をしてきたと思ってしまってね。安心したよ。」
優しそうな笑顔で話しかけてくれる。僕達2人は怒られないと安心した。
「だけど、君たちはまだ小学生。親にも言ってないんだろ?家には連絡させて貰うからね。」
この言葉により僕達2人の背筋はピンッと伸び汗が出てきた。
駅員さんは、「電話してくる」と言い部屋の奥に行ってしまった。
少し時間が経ち駅員さんが僕達の元に戻ってきた。
「あともう少しで君たちの親が迎えに来るからね。怒られる覚悟をしときな。」
駅員さんは笑いながら前の椅子に座った。
僕達にとっては笑い事じゃ済まない事なんだ。
十数分後お母さん達が迎えに来てくれた。
怒らるかと思いきや、少し涙目になって抱きついてきた。
「もう、こんな事するんじゃないよ。」
何回も同じ事を言われた。
貴史の方もおばさんが心配してたのが分かった。
後から分かった事だが貴史は家に置き手紙を書いていたらしい。「探さないでください。」家出をする人が使う言葉だった。
時間は夜に近く、辺りは暗かった。
帰るときに、窓から見た街は光でキラキラしていて昼間とは違う印象だったのを覚えてる。
この時自分はこの風景が宝の宝石のように見えていた。
この後、家でお母さんというラスボスにやられることを知らずに…。
冒険ノート↓
・隣街に冒険
・夜の街は宝石
・母さんラスボス
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