第3話 初めて

10分後~駅前~

朝の通勤時間のため、サラリーマンや学生が多かった。

その景色を見て、休みなのに大変だなぁと思うはんめん、今日仕事が休みなため家で腹を出して寝ている父親を思い出した。

「なあ、和樹。どこの駅まで行くんだ?」

貴史の言葉を聞き、行き先を決めてなかった事を思い出す。

今持っているお金は、元々持っていたお小遣いと漫画を買うために最近貰ったものだった。

子供料金で行くから隣町は行けるだろうと思った。

「今日は隣町まで行ってみよう。」

切符売り場に向かう。

この時、初めて自分で切符を買い興奮していた事を覚えてる。

隣町の駅につき、人混みを分けて駅を出る。

自分達が住んでいるところよりコンクリートの大きい建物が多く建っていた。

人と車で少し騒がしいと思う部分があった。

あまり見ない光景に自分たちはただ呆然としていた。

少し疲れ、ベンチで休憩する事にした。

「凄い人が多いね。建物が全部高いよ。」

「こんな所初めて来た。冒険に来て正解だっただろ?」

「うん!!」

それから10分ぐらい休んで色んな所に行く事にした。

もし、帰り道が分からなくなれば人に聞けばいいと思った。

大きなゲームセンターを見つけた。

店内は、キラキラとして大音量の音楽が流れていた。

学生が多く、入ることが少し怖かったが思い切って入ることにした。

見慣れたゲームを見つけたのでさっそく始める。

いつもは親が厳しいからできないが今日は出来る。

やっている事は大した事でもないけど、悪い事をやっている気分で小さいスリルをあじわった。

ゲームセンターで遊んで、2時間ぐらいたっていた。

外に出ると、空は赤く染まっていて夕方を表す。

そろそろ帰らなければいけない時間になっている。

家には、鬼の顔をした母親が居るのであろう。

想像するだけで背筋が凍りついた。

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