第281話 シャチホコ、進化への道! ③真っ黒黒

あまりにも重すぎる事実。


とてもではないが、僕だけでは判断しきれなかった。


ひとまずは当初の予定通り、エンペラビットの生態について調べに来ている集団をこの集落に入れていいかだけ確認する。


結果、殆どのエンペラビットは隠れてしまうが、長と……そして僕の両肩の二匹だけがその場に残ることとなった。


新たにやってきた東や南の研究者たちは長と僕の両肩の幼いエンペラビットを見てかなり興奮していて話が面倒になりそうだったのだが……



「歌丸、どうかしたの? なんか暗いわよ?」



稲生が急にそんなことを言ってきた。


……どういうタイミングで切りだせばいいのか悩んでいたところに、なんともありがたい奴だ。



「……そう、だな……稲生に、植木先輩……あと…………鬼龍院にも話しておきたい」


「俺もだと?」



指名された鬼龍院は一瞬面倒くさそうな顔をしたが、僕の表情を見てすぐに真剣な顔に変わる。



「……悪ふざけじゃなさそうだな」


「だったらどれだけよかったか……」


「……大樹、麗奈、研究者たちの護衛を頼む。


渉は入り口の方の警戒をしてくれ」


「俺は壁だ。任せろ」

「後でちゃんと説明してくださいね」

「あいよ」



鬼龍院の言葉に、他のチーム竜胆の面々はすぐに従って動く。


……信頼関係がしっかりできているようだ。



「……これは、つい先ほど……今あそこで研究者に囲まれているエンペラビットの長から直接聞いた話なんですけど」


「……その前に、歌丸くんの両肩にいる二匹について私は聞きたいんだけど……」


「増えてるわね」


「ああ、増えてるな」


「……あの、すいません、ちょっとガチシリアスなんでツッコミはなしでお願いします」


「シリアス話すならその兎ケルベロススタイルをどうにかしろよ」



ごもっともであった。



「シャチホコ、ちょっとこいつらと向こうで遊んでやってくれ」


「きゅきゅぅ~」



シャチホコはどこかうんざりしたように首を横に振る。


すでに諦めている感じだった。一方の二匹は……



「ぎゅぼぼ」

「きゅぷぅ」



絶対に離れないという意思表示なのか、小さい前足に力を入れ、生えたばかりの歯を駆使して僕の制服に噛みつく。



「………………実は先ほどなんですけど」


「諦めたわね」

「少しは努力しろよ……」


「ん、んんっ! 先ほどの続きですが!」


「もう聞いてあげましょうよ」



稲生の眼はすべてを察していた。


僕がすでにこいつらに負けたんだなぁって目で語っていた。


とにかく……僕はつい先ほど長に聞いた内容を三人に話す。



「「「…………」」」



そして、三人とも絶句していた。


同時に、僕の頭と両肩にいるエンペラビットの見る目が明らかに変わる。



「エンペラビットが……元は、人間……?」


「……じゃあ……私たちがもし迷宮で死んだら……こうなってたってこと?」


「冗談にしては趣味が悪すぎるが…………ああくそ、事実だとしても悪趣味だな、これは」



三人とも少なからずショックを受けているようだ。


僕だってそうだったんだ、仕方がない。



「厳密には、完全に生まれ変わっているというわけではないそうです。


長も自分の存在をじかくしてから、複数の人間の生前の記憶を断片的に思い出せるようになったそうです。


男だったり、女だったり……ソルジャーだったり、アーチャーだったり……色んな人間の記憶を思い出したそうなんです。


複数の人間の記憶や経験が集まって……それが兎の形になる。


それが……エンペラビットの正体です」


「それは…………確かに、エンペラビットの生態を調べに来たけど……そんな事実が判明するなんて想定外よ」



額に手を当てて上を仰ぐ植木先輩。


鬼龍院も難しい顔をしており……一方の稲生だったが……突然こちらに手を伸ばしてきた。


何だと思ったが、僕の頭の上にいるシャチホコの頭を撫でた。



「きゅきゅ?」



突然頭を撫でられて不思議そうに鳴くシャチホコ。



「そんなに、難しく考えなくてもいいんじゃない?」


「「え?」」


「稲生……どういうことだよ?」


「だって、別にこの子たちと争うわけじゃなくて……あんたは実際に、エンペラビットとこうして仲良くやれてるわけじゃない。


もし戦うことになるなら……凄い苦しい思いをしたと思うんだけど……味方になってくれて、こうして一緒にいられるなら、それって凄い素敵なことだと私は思うの。


確かに驚いたけど……この迷宮で死んでもそれで終わりじゃないんだってことでしょ。


だったら……こんな言い方は、相応しくないのかもしれないし……上手く言えないんだけど…………優しいことだなって思うの」



……生まれ変わり、か……



「……そうだな。


確かに、その通りかもしれない」



死んで終わり、じゃない。


この迷宮ではその先があったんだ。



「……そうね。


確かに、驚きはしたけど……むしろエンペラビットとの共存を強める理由付けにはなることだわ」


「……もともと護衛であった俺にはどうこう言う権利は無いが……個人的に言わせてもらえば、一概に悪いことだとは言い切れないだろうな。


……いや、まぁ、お前にとっては面倒ごとが増えそうだけどな」


「え……なんで?」


「エンペラビットは死んだ学生の生まれ変わりのようなもの……それを知った、遺族が黙っているとでも?」


「……あー……確かにその可能性は捨てきれないかも」



死んだ学生にも家族はいるわけだし……死んでからも危険な目に遭わされるなんてそりゃ…………死んだ人の……家族?



「――長、ちょっと確認したいことがあるんだけど!!」


「う、うむ、どうした?」



研究者たちに囲まれてげんなりしていた長が、眼にもとまらぬ速さでこちらにやってきた。


そんなに嫌だったのか?



「鬼龍院、ちょっとあの人たちを近づかせないでくれないか?」


「俺に命令するな……まぁ、やるがな」



ツンデレかな?


まぁとにかくありがたい。



「で、どうしたウタよ?」


「長やシャチホコたちって、死んだ学生の魂が集まった存在だって言ったよな?」


「うむ」


「卒業してから、迷宮で死んだ人間もその対象に含まれるのか?」


「質問の意図はよくわからんが……この迷宮で死んだ人間は等しく集まるのではないか?


こちらが知る範囲では学生以外が迷宮で死んだというのは知らないが……」



……ってことは……教員の時に死んだ英里佳のお父さんである榎並勇吾さんも、エンペラビットになっている可能性が零だとは言い切れない。


この里にいるエンペラビットの中に、英里佳のお父さんがいるかもしれない。


すぐに見つけられないかもしれないが……絶対に探し出さなければ……!


これは、なおのことエンペラビットと人類の共存を強めていく必要がある。



「植木先輩、エンペラビットとの共存についてですけど、僕も全力で協力します。絶対に実現させましょう!」


「え、ええ、そうね。お願いね、歌丸くん」


「稲生も、いいか?」


「当たり前じゃない。私だって生徒会の一員だし、それにここまで聞いたならそういうの度外視で協力するわよ」


「ありがとう」



エンペラビットの生態調査については重要だが……ここはひとまず長と先に人類との協力関係を結ぶ方が良さそうだ。


そう思っていた矢先、長と、僕の頭にいるシャチホコと両肩にいるエンペラビットが急に体をぴくっと揺らした。



「――む」


「きゅきゅう!!」


「きゅぽぽ……!」

「きゅぷっ」



反応はそれぞれ違う。


訝しむ長と、僕の頭から降りて毛を逆立てるシャチホコ、そしてより強い力で僕の肩にしがみつく二匹の子兎


どうしたのだろうかと不思議に思った直後に、僕もを感じた。



『――ふむ……我々の邪魔をしに来た一団とは別の集団だったか』



一歩でも動けば、死ぬ。


今自分がいる、その場所が唯一の生存が許された場所


僕の死線スキルが明確な力を――圧倒的な絶命力というもの感じた。


もし、今ここで不用意に前に出るか、背後に動けばそれだけで僕は殺される。


そんな絶望を呼吸するかのように吐き散らす存在が、いつの間にか、僕たちのすぐそばにいたのだ。


姿が見えない。


すぐ傍にいるのに、まるでそこだけ風景写真を黒く塗りつぶしたみたいな不自然な存在。


唯一、人型であることが分かるシルエット



「――GUROOOOOOOOOOOOOOOOO!!」



稲生の傍にいたマーナガルムのユキムラが、僕に少し遅れて威嚇の雄たけびを上げた。


瞬間、周囲の絶望力が揺らぎを感じ取った。


僕、長、シャチホコはほぼ同時に動く。


長はすぐさまその巨体を生かして植木先輩を巻き込む形で後方へと引いていく。


その際に植木先輩が悲鳴をあげながら吹っ飛んだが、今はそれどころじゃない。


僕も咄嗟に稲生の手を掴み、ユキムラの背後へと回り込んだ。


そして……シャチホコはあろうことか、その人物に向かって飛び掛かる。



『――ほぅ』



僕はシャチホコが殺されるのではないかと思ったが、続く光景はまったく違うものだった。


なんと、そのシルエットはシャチホコの攻撃を避けて、後方に飛んだのだ。



「え、な、なに……!?」



状況が理解できてない稲生を無視し、僕は魔剣・鬼形を抜いて、肉体を鬼に変化させて叫ぶ。



「全員逃げろ!! 殺されるぞ!!!!」



鬼形を抜いたのは、戦うためじゃない。逃げるためだ。


疾風を使って高速移動するためだ。


こいつとは絶対に戦ってはいけない。


少なくとも、御崎鋼真なんかとは比較にならない実力を持っている――いやそもそも実力がまったくわからない。


ユキムラの咆哮の時点でこちらに気付いていた鬼龍院たちが、すでにこちらに集まってきている。



「おい、あれはなんだ? 人の形をしているが……隠密スキルか?」


「確かに姿は見えないが……どうにも違う感じだぞ」



鬼龍院と萩原君がそんなことを言いながらそれぞれ武器を構える。



「駄目だ、防御に集中! 絶対に攻撃するな! した瞬間に殺される!!」


「おい、俺に命令をす」「どういうことですか、連理さま?」



鬼龍院が突っかかってきそうになったが、ここで麗奈さんが間に入ってきた。ありがたい。


僕はあのシルエットから視線を外さず叫ぶ。



「あいつはその気になればあそこからでも僕たちを攻撃できる! 今はユキムラがいるから、辛うじて一撃で殺されないというだけ! 迂闊に一歩でも踏み出せば殺される!」


「――兄さま」


「わかってる、そいつは死線スキル持ちだったな。


――大樹、護衛対象を引き連れてさっきの入り口から逃げろ。渉、お前も一緒に頼む」


「わかった、無茶するなよ」


「稲生、悪いけどユキムラを置いてお前もこの場から――」


「冗談でしょ、ユキムラは私のパートナーよ!


むしろあんたが逃げなさいよ!」



稲生の言う通りだ。


個人の戦力としては足手まといだが、ユキムラを強化できる稲生はこの場に残って僕が逃げる方が正しいだろう。


でも……



「そうしたいのは、やまやまなんだけどさ…………あいつ…………なんか、さっきから僕の方を見てるっぽいんだよね……」



相手はシルエットなので、当然ながら目は見えない。だから視線は一切感じられない。


だが、死線スキルで感じ取れる絶命力。その範囲の分布が、どうにも……ユキムラ中心というより……僕を中心にして広がっているように見えるのだ。



『――落ち着け、人間』



「っ!」

「ひ」「う」



たった一声。


それだけで、足がすくみあがりそうになった。


倒れそうになったところをギリギリ鬼形を杖の様に地面に突き刺して耐えた。


稲生は倒れそうになったが、咄嗟に俺が腰を抱いて無理矢理立たせて耐えさせる。


一方で、鬼龍院兄妹は地面に膝をついている。意識はあるようだが、呼吸が荒く、今にも気絶しそうだ。



――共存共栄Lv.5 範囲共有ワンフォーオール


選択は意識覚醒アウェアー苦痛耐性フェイクストイシズム超呼吸アンリミテッドリプレイス


現段階で意識を保てることだけを優先。


背後の状況は見えないが、おそらく、今の一声で気絶した者たちもいることだろうが、なんとかこのスキルで耐えさせる。



『ほぅ……やはりお前が例の死に損ないか』


「なに、言ってんだ……?」



例のって……僕のことを知っている……死に損ないって……僕の心臓のことをいっているのか?


入院歴は隠していないが……そこまで詳しく調べるのは妙だ。



『まったくもって目障りだな。


生き汚いカス風情が、あのお方の器に選ばれるなど』



あのお方……器……? だめだ、何を言っているのかさっぱりわからない。



『ふむ……どうやら完全に外れたか。


やれやれ……やはり“蛇”が使えなくなったのは面倒だな』



「――お前、犯罪組織の一員か!!」



頭に血がカッと登ってきて、腹が熱くなる。


未来から来た椿咲のことがよぎり、あのシルエットに対して殺意が沸く。



『犯罪組織……? まさか、人間どもは我々をそう呼んでいるのか?


まったく厚顔無恥も甚だしい。罪深い貴様らが我らを罪人と糾すなど……』



シルエットは顔を額に当てるような動作を見せた。


視線がこちらから外れた。


その瞬間を見逃さない二匹がいた。



「――GUOOOOOOOOOOOOOOO!!」

「きゅきゅきゅきゅう!!」



ユキムラとシャチホコが行動する。


ユキムラがハウルシェイカーを発動させ、そしてシャチホコがその咆哮によって発生した衝撃波に乗って勢いよく、物理無効スキルの“兎ニモ角ニモラビットホーン”を発動させて突っ込んだ。


さらっと妙な新技を使ったシャチホコ


だが、あれ自体大した威力はないはず……!



『ちっ』



しかし、予想と反してシルエットは大袈裟なくらいに避けて見せる。


……シャチホコの攻撃力の低さを知らない?


もしかして……この絶命力ってはったりだったりするのか?


威圧系のスキルで誤魔化してるだけで、実は相当……弱い?


――確証はない。


だが、このまま無事に逃げ切れる保証もない以上は……何かアクションが必要だ。



「――すぅーー……!」



稲生から手を離し、僕は両手で鬼形の柄をぎゅっと握る。


チャンスは一回。


僕にできるのは奇襲の一撃のみ。


悲しいが、相手の実力が未知数でも僕より強いのは確実だ。



「ちょっと、歌丸、何を――」



稲生の言葉を無視し、僕は意識を集中する。


――相手は、人間かもしれない。


――だが、あの犯罪組織の一員だ。


――ここで見逃せば、また誰かがこいつらに殺される。


――椿咲が、また殺されるかもしれない。


――戒斗が、紗々芽さんが、詩織さんが、英里佳が……!


そんなことになるくらいなら、いっそ……今、僕がこの手で……!!



「きゅきゅきゅう!」


『この、鬱陶しい兎め……!』



勢いをつけたシャチホコの一撃は回避したが、そこから続くシャチホコの追撃を必死にシルエット


そして、回避行動に集中するあまり、奴がこちらに背を向けた。


――今だ!!



「っ――ウタ、止せ!!」



背後から長がそんなことを叫んだが、僕はもうスキルを発動させた。させてしまったのだ。



――疾風の型・颯



目で見える範囲なら、どこだろうと高速移動で一気に相手を間合いまで距離を詰めるスキル。


振りかぶって、剣を振りぬく瞬間に相手はこの刃を受ける。


そのスキルを発動させた直後――火花が散った。



「――なっ……!」


『……ん?』



僕の刀は確かに当たった。


だが……手が痺れを感じ、それ以上動かない。


――シルエットに当たったはずの鬼形は、その首に該当する個所で止まったのだ。



『それは、攻撃のつもりなのか?』



心底不思議そうに、そして同時にあきれ果てたような声で、シルエットは問いかける。


これだけ距離を詰めて、相手は僕より身長の高い存在だとわかる。


男であることもわかる。


だが、それだけでそれ以上のことは全くわからない。



「――呆けてんじゃねぇよ馬鹿が!!」



鬼龍院が叫び、僕も咄嗟に動こうとしたが、もう遅かった。


シルエットは僕に向かって手を伸ばし、僕の額にその指先が触れた。



『殺すなとは言われていたが……これは、器に足るのか試さなければいけないな。


丁度いい、と一緒に生き残って見せろ』


「は――」



なんだ、視界が揺れる――



「きゅきゅ!!」


『むっ!』



シャチホコが咄嗟に飛び掛かってきて、その紫色の光る角を見てシルエットが大袈裟に回避する。


――そうか、こいつがさっきから回避してたのは、シャチホコの攻撃というわけじゃなくて……物理無効スキルだったのか……!



今更ながらそんな事実に気付いたところで、もう遅かった。


視界がどんどん暗くなっていく。



「――ああ、クソッ、手間かけさせてんじゃねぇ!!」

「――ユキムラ、みんなを守って!!」


「きゅう!!」


「きゅぽぽぽぽ!?」

「きゅぷぷぷう!?」



すぐ近くから聞こえる声


それが誰なのか目視で確認する前に、完全に視界が真っ黒になった。



「――ライトボール」



しかし、急に光が発生して痛みを覚えるほどに目が眩む。



「な、んだ……!?」



周囲が急に明るくなり、周りを見ると岩の地面や壁、天井が見える。


――森林エリアじゃない。



「ここ、は……暗闇エリア、か?」



二十層から先のエリア


まだチーム天守閣のメンバーでも全部を踏破しきれていない。


……まぁ、体育祭とかその準備で色々忙しかったし……落ち着いたら一気に踏破しようって話になったけど……



「……どうやら、あの妙な黒い奴に強制転移させられてらしいな」


「鬼龍院?」



天井を見ると光を発する球体がある。


どうやら鬼龍院がこの光源を魔法で作っているらしい。



「みたいね……みんな、大丈夫かしら?」


「え……稲生!?」



なんで稲生がここに……転移に巻き込まれた? え、なんで?


そんな風に混乱する僕だったが……さらに戸惑いは続く。



「きゅう」

「きゅぽ……」

「きゅぶ……」


「シャチホコに……え、お前らまだ引っ付いてたのか!?」



近くにいたシャチホコはまだ理解できたが、赤子のエンペラビットまで一緒にいるとは思わなかったので戸惑う。



「一体……何が起きたんだ……?」



呆然とそう呟く僕に、鬼龍院は舌打ちをしながら僕を睨みつける。



「テメェの浅はかな行動のせいで、俺たち三人と三匹まとめて」



そこまで言ってから、鬼龍院は周囲の岩壁を見回してタメを作ってから、大きなため息をこぼしながら僕を睨みつける。



「遭難したんだよ」



――そうなんだ。



下らないギャグが脳裏に浮かんだが、口に出さなかった。


今言ったら、100%殴られるなって思ったから。


そんなことを考えられる程度には、僕も冷静なんだなと実感した、歌丸連理の人生二回目の遭難なのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る