第11話
「いえーい。講堂社月刊マー編集部所属、希代にして期待のウルトラ記者、六本木千歳さんだぜっ!」
「……もういい加減ヤメたら、それ。私たち、もうそんな年じゃないんだから」
「ぬ……い、いいんだもん! もう後に引けなくなっちゃったんだよっ!」
……。
「それで、どうしたの? こっちにも守秘義務っていうのがあるんだから、そう簡単に質問には答えないわよ」
「いやいや、ちょっとした情報提供みたいなものなんだけどさ……鳥取で爆弾テロがあったの、知ってる?」
「うん、死傷者百人超だったっけ? むごいよね、何だかもう日本も安全な国じゃなくなっちゃったんだなって感じ」
「うん……でね。今あたし取材で鳥取にいるんだけど、ちょっとそこで変なもの見つけちゃって」
「変なもの?」
「そう、何か錆びた剣と、このテロの犯人と奈良県で今泉照人を殺害した犯人は同じだーって感じの手紙。もし華蓮が今泉照人殺害事件に関わってたら教えてあげよっかな~って」
「……」
「ねえねえ、あたし偉い? 偉いでしょ? 何かご褒美欲しいな~、ちょうだ~い? 何がいいかな……あっ、ねえ今度温泉にでも連れて行ってよ! 一緒に入ろ、華蓮!」
「……」
「……華蓮? どうかした?」
「千歳、今近くにテレビとかあるならすぐにつけて」
「え……ああ、あったあった、カーナビ。チャンネルは?」
「どこでもいい、多分どこでもやってると思うから……」
「……嘘だ」
緊急速報、九州で同時爆発テロ。死傷者多数。
犯行は先日の鳥取テロと同一人物か。
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