1-3)「上手」を目指すときに①
私個人はそれより書こうよ読みたいよ! なんですが、それでも「上手」にこだわりたい、という方に少しだけお話しさせていただきます。
技術書とか指南書、向上心に溢れたエッセイは色々あるのでそういったことは期待しないでください。目指すときに気をつけてほしいこと、をお話しするだけですので。
といってもこれはのんびりゆるゆるな素人の言葉です。何度も言いますように絶対じゃありません。人によっては必要ないかも知れませんが、もし「上手」を目指して疲れてしまった人がいたら聞いてくれるといいなあ、と思ってお話しさせていただきます。
貴方が「上手」を目指すのなら。先に言ったように「上手」についてきちんと考えてみてください。これは技術だけでなく、「貴方の書きたいもの」「貴方の作風」「貴方の能力」を一緒に考えることも指します。
考えてみてください。小中学生を対象にわかりやすくてわくわくするようなファンタジーを書く人がいたとして、「豊富な語彙で美しい文章が羅列する地の文章」を目指すのって、どうだと思いますか? その言葉、どこまで伝わるでしょうか。どこまで読んでもらえるでしょうか?
名作と言われるものの言葉の美しさはすばらしいです。ですがたとえば夏目漱石の坊ちゃんを児童書にする場合、単語にたくさんの線を引いて意味を説明するスペースがあります。ルビもたくさん振ってあります。場合によっては絵で解説まで差し込んで、子供たちにわかりやすいようにたくさんの工夫をしてあります。
子供の頃から難しい本を読む人はたくさん居ますが、けれど最初から小中学生対象とわかっていて、本人が書く作風がわかりやすくてわくわくするファンタジーなのに、そこでわざわざ「豊富な語彙で美しい文章」を目指す必要はあるでしょうか? それは文章としてはある人たちにとっては「上手」ですが、お話に必要なのってそういうことでしょうか?
貴方が持っていない技術を得ることが「上手」と考えるのは早計です。なんで書けないんだろうと嘆くことはないと思います。「書きたい」「好き」「得手不得手」を考えてください。大丈夫、貴方の得意なことはきっとあるはずです。そしてそちらの場所でがんばることは、そこまで苦しくないかもしれませんよ。
もし貴方が「上手」にこだわる理由に、「他の人に言われたから」が合ったときは、特に今お話ししたことを考えてみてください。貴方の作品は貴方の物です。他人を基準にするときはその人の「上手」がなにを指すのかわかっていないと、なんだかちぐはぐなことが起きます。書いて楽しくない、がんばっても出来ない。そうやって筆を置かないように、貴方の話にあったものを目指して、「上手」ではなくもっと明確な基準で追いかけてください。疲れたら上手なんて考えなくても、それなりな話は出来ますよ。
上手より好きを追いかけた人間の言葉です。説得力がない作品かも知れませんが、一応それなりに書けていると自分は思っています。こんな文章じゃだめだな、と思われたらおしまいですけどね。でも、好きって楽しいですよ。
(2016/12/20)
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