1-4)語彙力がないから書けないという貴方に
えー、先ほどのお話をした後、対象の方から「語彙力が死ぬタイプ」というお話を伺いました。結論から言います。そんなものなくていい。
なんて暴論と怒られそうですが、まず「書き始めたい」段階で何故語彙力を気にする必要があるのでしょうか。こういうシチュエーションが見たい、キャラが見たい、だから書きたい。そういうお話を伺っていたので、私は言い切ります。語彙力なんてなくても書ける、と。
書きたいシチュエーションが先行型なら、先に申し上げたようにもっと自分の好きを広めるためのツールとして考えていいと思います。具現化しましょう。
なにが興奮するか、何が好きか、を分かっていれば、書くことにきっと強いです。そしてその表現をするのに語彙が豊富だと便利かもしれませんが、優先順位を考えてください。まず「AとBの恋心を読みたいから書く」のに、なんで「語彙力」がねじ込まれるんですか。AとBの恋心、読みたいなら「書くこと・完成させること」が最優先じゃないでしょうか?
思い浮かばなければ辞書があります。辞典があります。言葉を多く知らなくても調べることはできます。先人の知識が言葉として私たちを助けてくれるからです。
技術の向上を意識した段階なら、確かに必要かもしれません。ですがそちらにハードルを感じられるより、まずは好きに書きましょう。読みたいものを書くのに、なぜ完成させない選択肢を持ってしまうのでしょうか。勿体ない。書かないと伝わりません。そして何度も言いますが、楽しいは強いです。
繰り返し言います。自分のしたい事、書きたいと思ったきっかけをどうか忘れないでください。
美しく人を感動させ、儚く戦慄くような芸術的文章を書きたいのでしたら確かに語彙力は必要でしょう。しかし、誤解を恐れずに言えば語彙力は物語には些事です。必要なのは、その「好き」という感情です。萌えを語るのに、何が萌え、かを語れさえすればいい。他のことはそれが出来てからでもいいと思いませんか?
もし書きたいものが文章の美しさなどに拘るものでないのなら、好きなものを並べ立てることを優先しましょう。まずは書きましょう。そこに整合性を求めさせるのは、求めさせられるようになってからしましょう。とにかく書くことのメリットは、人と共有できること、読み返したときに過去の自分グッジョブ萌えるわ! と出来る点、自家栽培が楽しい点です。
私は文章が好きです。ですから当然、美しく、また丁寧に書かれた文章を愛するでしょう。それらは確かに想像力を助け、所作一つ一つが胸を打ちます。世界に浸れる幸福に感謝もします。ですが、しかしそれだけなのです。
二次創作をされる方には特に言いたい。実のところ読み手の想像力、妄想力は好きによって何倍にも膨れ上がる素晴らしいものです。共通するジャンルがあるのでしたら、多少表現が足りずとも読み手が気づいたり萌えをみつけたりしてくれるものです。
何故そんなことを言い切れるかと言うと、そもそも公式に提示された物語とは別の可能性を見つけ出す人がいることを二次創作を愛する人たちの言葉で証明されているからです。人間の想像力は昔から素晴らしいです。 だから最初はその想像のきっかけを渡す、くらいの気持ちでもいいし、自分の為に書き上げるといいと思います。
文章の良い点は、絶対ではないところです。絵は渡された瞬間それが決定的視覚情報として渡される。あの素晴らしい感動も素敵ですが、文字はまず書き上げるだけでなく読むことで完成されるのです。だから自身の言葉については、まずは些事としましょう。追い求めたくなってからでいいと思いますよ。
ねえ、あなたはなにが萌えますか、燃えますか。なにが好きですか。彼らに何をしてほしいと思いますか。まずはそこから、が文字は許されます。現在の彼らはどういう関係ですか。ではどうしたらその行動をしてくれるでしょうか。AがBを誘う? それとも逆? それとも偶然? 他の人が助ける?
沢山の可能性を、一度で説明しきらなくてもいいのが物語のいい点です。もし同じようなもえ、こだわりがあるのでしたらそれをいろんなパターンでやってみましょう。友人になる前の夏祭り、友人になってからの夏祭り、恋人になる前の夏祭り、恋人になってからの夏祭り。
もしくは偶然出会った夏祭り、偶然を装った夏祭り、誘った夏祭り誘われた夏祭り、簡単に並べるだけでもたくさんあります。組み合わせで多種多様。同じような話ばっかりと悩んだとしても、それは見え方が違います。好きに書きましょう。物語は自由です。好き、が強いのです。
だからお願いです。好き、を手放さないでくださいね。やってみたければ自由にやってみる、それが創作の楽しさだと思っています。
(2016/12/20)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます