第3話 就職できるかなー? ギルドだけど。

「本日はどのようなご用件でしょうか?」


あー。

めっちゃ緊張する。


「あの・・えっと・・その・・」


「はい?」


受付のおばさんは困ったみたいに首を傾ける。


「職を探しに・・」


「あー!そうですか」


「では、ご自分を証明できるものはお持ちでしょうか?」


ゆうは恐る恐る自分の履歴書を手渡す。

おばさんはまた困ったように首を傾げる。


「えーと、これは・・」


異世界で履歴書が使えるわけがないのだ。

元の世界でも使えないような紙なのに[中身が]。


「ないのであればこちらで発行することが可能ですが」


「おねがいします・・」


「では、こちらの紙に記入をお願いします」


おばさんは、沢山文字が書かれている紙を丁寧に裕に差し出した。

裕はそれを受け取り、紙の項目をゆっくり確認した。


1:氏名

2:出身国

3:希望役職

4:所持スキル

 1

 2

 3

5:戦闘経験 有 無

6:元役職

                    以下略




「これがこの世界の履歴書か・・」


記入しようとするも・・・

もともとこの世界の住民ではないので記入できなかった。

なにを書けばいいか分からなかった。

不安や緊張で頭が痛くなる。

裕は、倦怠けんたいの色が全身を薄雲うすぐものようにつつむかのような表情をする。

すると、なにかを察したかのようにおばさんは言った。


「大丈夫です!こちらで職員を用意しますので詳しくはその職員に教えてもらってください!」


「はい・・」

その言葉は裕を元気づけた。

力になってくれる人ができるってこんなにうれしかったけ?

こんなことを思いながら裕は天井を見上げた。

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