第2話 希望(ハロワ)かな? いいえ、ギルドです。

綾小路あやのこうじ ゆうの現在の所持品。

スマホ x1

履歴書 x1

財布  x1[2000円][この世界ではただの紙切れ]

おにぎりx1[鮭]



裕は地面に手をつき絶望していた。


「もうだめだぁ・・・おしまいだぁ」


と、あたかも伝説のスーパーサイヤ人にボコボコにされたかのように。

裕は、「うー」とうなりながらスマホに手を伸ばす。

手に取ったスマホの画面をかなり乱暴に操作している。

絶対つながらないであろうブラウザを立ち上げると。


「ピコン!♪」


「え・・」


「つながっただと・・」


恐る恐るWi-Fiの確認をする。

こう表示されていた。

O N L I N E


「やったーーーー」


裕は思わず歓喜かんきの声を上げる。

周りの目線が一瞬集まった。


「ネットがつながるなら誰かにコンタクトを・・」


まずは、電話から試す。


「ピー!キュルキュル」


と意味分からない音が鳴るだけでつながらなかった。

次は、ネット掲示板。

真面目に文字を打っても。



            とあるスレ[無断転載歓迎]


1:ユウです!

   %$#&@*+◇※▲∴÷;


2:日本人A

   ココσ(´-ω-`)大丈夫?


3:日本人B

   にほんごであそぼ


4:日本人C

   最低でも英語話そうか


5:日本人D

   日本語でおk


6:日本人F

   日本語でおk



こうなるだけ。

・・・えぇ。

誰にも連絡できませんでした。


「こうなったら、意地でも生きてやる」


見たところこの世界はよくあるRPGゲームの世界だ。

と、なればどこかにギルドがあるはずだ。

武器屋や防具屋があってギルドがないはずがない。

ギルドとは仕事を依頼したりされたり就職先を探したりと希望≪ハロワ≫みたいなところだ。

裕は、立ち上がるとギルドを探してみることにした。

しばらく歩いているとなんとなくこの世界のことがわかってきた。

公用語は日本語。

焼き鳥やの人に言葉が通じたからこれはわかっていた。

文字も日本語。

日本語で書かれている看板などからこれは分かった。

そんなこんなで・・。


「見つけたぞ、ギルド!!」


裕が見つけた店の看板には太字で[ギルド]と書かれていた。

列はできていないがさっきから人が出たり入ったりしていることから活気はあるようだ。

大した抵抗もなく裕は中に入った。

中は、木でできたテーブルや椅子などがあった。

受け付けも木製でなにやら飲み物も売っているようだ。

受け付けは、買い取り、依頼、ヘルプの3種類あった。

裕はよく分からなかったのでとりあえずヘルプの受付へ行った。

ヘルプの受付にいたのはうさ耳のかわいい女性・・。

ではなく、優しそうなおばさんでした。

おばさんは、裕が近づくと優しそうな口調でこう言った。


「本日はどのような用件ですか?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る