5部屋目病院にて

気づいたら俺は病院にいた。倒れた時にけっこう強く頭を打ったらしく、2日は目を覚まさなかったそうだ。先輩の自宅である少年と話をした。それ以降の記憶がほとんどなく、実を言えば少年との話したことの内容もあやふやだった。けれども少年の話は奇妙で、「ミニカーで遊んでたら、ミニカーが大きくなったんだ。」

なんというか…子どもだなと思ってしまった…。




しばらくして…八恵先輩が見舞いに来てくれた。話を聞くと、ニュース番組を見てる途中、気分が悪くなって倒れたそうだ。先輩には迷惑をかけてしまった。

病院のベットは意外に落ち着けて、職場のピリピリした雰囲気よりかは凄くマシに思えた。いくつかひっかかることもあった。結局少年はシャッフルルームによる記憶の具現化だったのだろう。記憶のピースを解放できたのだろうか。退院できたら調べてみようと思う。





仕事が忙しかった日とは対照的に今の入院生活がなんとなく自然に時を過ごせている。時間を毎度のことに確認していたころの自分がアホらしく思えた。






夜になった。辺りは異様な静けさに包まれていた。あぁ…入院中でも起きちゃうんですね。もう一瞬で理解した。ここは今シャッフルルームになった。なぜなら、開いた窓から女の子一人…そこにたってんだから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

シャッフルルームへようこそ。 ヘルメイス @ryokjm1011

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ