【そういう琴美も】

「よく寝てるね」

 琴美は音羽のぷにぷにほっぺを指で突きながら、楽しそうに笑った。

「あたしも昨日は興奮してなかなか寝れなくて……ふぁー」

 それから、小さく欠伸をする。

「朝も早く目が覚めちゃった」

 だから、琴美も集合時間よりも早く駅に着いたのだ。

「実はあたしも」

 と、羽音も舌を出して照れ笑いを浮かべた。

 夕べはいつもよりも早くベッドに潜り込んだが、なかなか寝付けなかった。

 音羽も同じだったようで、下のベッドではいつまでも気配がしていた。

 なので、眠りも浅くなり、朝も早く目がめてしまったのだ。

 完全に寝不足だった。

「みんな、今日が楽しみだったんだね」

 琴美がコロコロと笑う。

「そうだね」

 つられるように笑う羽音だった。

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