【こだわる音羽】

【こだわる音羽】

 頭にはてな・マークを浮かべる琴美に、羽音は言った。

「あたしも、舞妓さんがみたいかなぁ、って」

 そして、チラッと音羽を見る。

 夕べの事を踏まえての発言だった。

「そうなの~」

 すると、音羽が嬉しそうに微笑む。

「はのんちゃんと一緒に~、帯引っ張るだ~」

 それは期待に満ちあふれた慢心の笑顔だった。

「えっ?」

 だが、琴美は驚きで目を見開いた。

「だから、それは駄目って言ってるでしょ!」

 すかさず、目を三角にした羽音が突っ込む。

「それって、芸者さんだよね?」

 琴美は冷汗笑いをした。

「いや、芸者でも駄目だろう」

 それを真顔で修正する薫だった。

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