【素朴な疑問】

「ところで……」

 琴美は顎に指を当てて、首を傾げた。

 トレードマークのツインテールが横に揺れる。

「羽音ちゃん?」

 そして、羽音を見た。

「なに?」

 すると羽音も首を傾げた。

 軽くウェーブのかかったサラサラの髪がやはり横に揺れる。

「渡された用紙だけど……」

 言いながら、琴美はプリントアウトされたA4の用紙を順番に見た。

「羽音ちゃんの行きたいところが入ってみたいだけど……?」

 渡された用紙は三枚だ。琴美の行きたいところと薫の行きたいところ、それに音羽の行きたいところしかない。

 羽音が行きたいところの資料が無いのだ。

「ああ、それね」

 琴美の疑問に納得して頷く羽音だった。

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