【班長は?】
「班長は誰にしようか?」
みんなの顔を見回しながら、羽音は聞いた。
「ハイ、ハイ!」
すると、琴美が元気よく手を上げる。
「羽音ちゃんがいいと思います!」
なぜか敬語の琴美は明るく言った。
「あ、あたし?」
意外な推薦に、羽音は自分で自分を指さして驚いた。
「無理だよ……」
そして、戸惑いながら頭を振る。
「でも、二年生の時は体育祭とか文化祭で、戦陣切ってたじゃん」
琴美は双子と同じクラスになったのは今年が初めてだが去年、別のクラスの時から羽音の活躍は目にしていた。
リーダーシップがあるな、と心の中で感心していたのだ。
「あれは……積極的に参加していたらいつの間にかそうなんだけ」
しかし、実際は違う。それを否定しながら困惑の度合いを深める羽音だった。
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