「これ、舞台化するの……？」

　琴美は恐る恐る聞いた。

「もちろん～、エッチシーンはカットするよ～」

　ほんわか笑顔で音羽は答えた。

「文芸部で配布するのは、全年齢版だ」

　薫が真顔で補足する。

　それを聞いた琴美は、ホッと胸をなで下ろした。

　自分達が通っている私立山手女学館は一応、お嬢様学校なので、当然、淫行には厳しい。いくら劇とは言え、こんなシーンを入れたら大問題になるだろう。

　だが、

「十八禁版は、即売会で売る予定だ」

　薫は、ドヤ顔で言った。

「!?」

　琴美はギクッとなった。

「いや……それ、バレたら停学じゃ済まないよ」

　毎度の事とはいえ、薫の行動に呆れる羽音だった。

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