「音羽ちゃんって…………裸族？」

　驚きが止まらない琴美は、遠慮がちに聞いた。

「違うよ～」

　音羽はほんわか笑顔でまたも首を横に振った。

「ほら～、わたし～が着てる服って～、近世ヨーロッパの服装がモチーフになってるじゃない～？　その頃って～、まだ今みたいな下着が無かったから～、みんな下着をつけないで服を着てたんだ～」

　諭すように笑みを浮かべる音羽に、琴美はふむふむと頷いた。

「だから～、わたしも～、下着をつけてないんだ～」

　音羽はにっこり微笑んだ。

「えーっ！」

　それを聞いた琴美が動揺した。

「ロリータ服って下着つけちゃいけないんだぁ！　あたし、さっき、つけたまま試着しちゃったぁ！」

「いや、それはあくまで音羽のこだわりだから。下着を着けるのが普通だよ」

　その反応に、慌てて解説を加える羽音だった。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい