【双子似?】

「ということは、羽音ちゃんみたいに男前なの?」

 まるで漫才のような双子のやり取りに大ウケしながら、琴美はさらに聞いた。

「……あたしが男前かどうかは知らないけど……」

 やはり、少し心外そうな顔の羽音だったが、

「まぁ……そうかな?」

 と、今度は逆に自分から姉に同意を求める。

「うん~、男前~」

 それに対して音羽は、柔らな笑みで自信たっぷりに頷いた。

「って事は、見た目もクール系の男装美人とか?」

 興味津々の琴美に、音羽は唇に人差し指を当ててちょっと考え込むような仕草をする。

「う~んっと~、容姿はね~」

 それから、躊躇ためらうことなくほんわか笑顔で言った。

「わたし達に似てるよ~」

「…………」

「いや……あたし達がお母さんに似てるんだから」

 冷汗笑いを浮かべる琴美に変わって、おもむろにツッコミを入れる羽音だった。

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