【母の肖像】

「じゃあ、性格も音羽ちゃんに似てるの?」

 双子の母親に俄然がぜん、興味を持った琴美は、笑顔で尋ねた。

「ううん~」

 しかし、予想に反して音羽は柔らかい笑みを浮かべながら首を横に振った。

「性格は~、はのんちゃんに似てるよね~」

 そして、妹を見ると同意を求める。

「そうかなぁ?」

 が、羽音は気に入らなそうに眉を僅かに跳ね上げた。

「あたしは、あそこまでガサツじゃないよ」

 そからから肩を竦めて全面的に否定する。

「でも~、てきぱきしてるところとか~、サバサバしてるところとか~」

 それでも音羽は、ほんわかと笑みを浮かべて諭すように言った。

「わたしに~、すぐツッコムところとか~」

 そして、慢心の笑顔でニコニコと微笑む。

「それは、音羽がおかしなこと言うからでしょう!?」

 そんな姉に思わず眉をつり上げて、またもやツッコミを入れてしまう羽音だった。

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