【為替レート】
そのまま言い合いになった双子を笑顔で眺めながら、琴美はぼんやりと別の事を考えていた。
「どしたの?」
急に黙りこくった級友に気付いた羽音は、少し心配そうに聞いてみた。その言葉があまりに自然に入ってきたので、琴美はつい頭の中の事をそのまま口にしてしまう。
「うん……どれぐらい儲かったのかなぁって……あっ!」
そして、すぐに自分が何を言ったか気づいて、気マズそうな顔をする。
「一万二千って、言ってたよ~」
が、そんな琴美の様子など全く気に止めないで、音羽はほんわか笑顔であっさり言った。
「ちょっ! おとはっ!!」
「…………一万二千?」
またもやなんの
「……ドル、ね」
「ド、ドル!?」
今朝、ニュースで見た為替レートを思い出して、思わず驚嘆の声を上げる琴美だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます