【事の真相】
「でも~、どうして、わたし達のお父さんの事が気になったの~?」
ほんわか笑顔のままで音羽は、首を傾げて聞いた。
「あっ……その……」
聞かれた琴美は最初、言い淀んだが、やがて観念したように口を開いた。
「……あたし、てっきり二人はお嬢様なんだって思ったから……」
「…………なんで?」
その言葉に羽音はきょとんとして思わず間抜けな声を出してしまう。大抵の事では動じない音羽でさえも、目を白黒させている。
「ほら、さっきの服、かなり高かったから……」
意味不明な表情の双子に、琴美はちょっと恥ずかしそうに説明した。
「ああっ~!」
それで音羽と羽音は、やっと納得したような顔をする。
「あれは~、お洋服代に貯めておいたお小遣いを足して、買ってるんだ~」
「さすがに、お小遣いだけじゃ無理だよ」
「なーんだ」
事の真相を知って、こちらも納得顔になる琴美だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます