【気まずい空気】
「ご、ごめん!」
とりあず謝る、それが琴美が最初に思いついた事だった。風切り音が出そうなぐらいの勢いで頭を下げる。
「なんで、謝るの~?」
しかし、それを見た音羽は不思議そうな顔をする。
「だって……」
本気でわかってないような表情に、琴美は困惑した。そんな二人のやり取りに、羽音は冷汗笑いを浮かべるしかなかった。
「まぁ、大抵は引くよねぇ……」
そう思ったから本当の事を言うのを
「けど、あたし達は、生まれた時からこれが普通だから」
柔らかな眼差しで琴美を見詰めながら、羽音は流すように言った。
「だから、気にしなくていいよ」
「うん~」
「……ありがとう、音羽ちゃん、羽音ちゃん」
羽音の言葉と頷く音羽のほんわか笑顔に双子の気遣いを感じて、心が暖かくなる琴美だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます