【お会計】

 元の服に着替えてから、音羽は羽音の着ていた服一式をレジへと持って行った。

「これ、下さい~」

「はぁ~い」

 ほんわか笑顔で音羽が商品を差し出すと、店員もまた笑顔でそれを受け取る。

 そんなやり取りを来た時と同じように羽音と眺めながらも、琴美は飾ってる服に意識が傾いていた。

(あたしもちょっと欲しくなっちゃたなぁ)

 さすがにこれを着て外を出歩くことは出来ないが、部屋の中で着るぐらいならありじゃないだろうか思い始めていた。

(いくらぐらいだろう?)

 気になって、スカートに付いていた値札をそっとひっくり返してみる。

(げっ!)

 それで目を剥いた。書かれていた値段は、中学生がお小遣いで買う限度を遙かに超えていたからだ。思わず、会計を終えて近づいてくる音羽と隣に立つ羽音を交合に見てしまう。

(……音羽ちゃんと羽音ちゃんって……もしかして、お嬢様?)

 不思議そうな顔をしている双子を、なおも驚きの目で見詰めてしまう琴美だった。

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