配信サイトで出会った女がやばすぎて発狂した!

東城 クルトン

第1話初めての生配信!?

俺はいじめられていた女の子を助けてあげた……

『こんにちわ、あなたに惚れちゃったの……会えてすごく嬉しい』

「お前は!あのときの──」



「おはよう!土筆!」

机に突っ伏していた俺に声をかけてきたのは俺の友達、早瀬 小次郎だった。

毎朝よくそんなに元気なもんだよな、俺にもその二分の一分けてくれよ。

「おい、土筆、最近話題の『笑顔放送』っていう配信サイトはご存知?」

「そんなの知らねーよ。」

配信サイトね、家にパソコンは一応あるけど

家族共用だから下手に手出さないようにしてるんだよな。

壊しでもしたら親になんて言われるか……

「なぁなぁ、ちょっとだけでいいからさ、生放送で配信してみてくれよ!なんかさ、楽しそうじゃん!?」

「俺ん家のパソコン家族共用だし、下手に触りたくないんだよなー。まじで、というか配信って何すればいいんだよ。」

「普通に喋るだけでいいからさ、な?お願いだよ。」

こいつ何が目的なんだよ。意味がわからん。

しかし、小次郎は、言い出したら人の話に耳を貸さなくなる都合の良い耳をしている。

はぁ……。

「わかったよ、少しだけな。」

「さっすがだぜ!兄貴!」

兄貴ってなんだよ。俺はスルーした。

「じゃあ今日の午後21:00に放送しろよ!

配信の仕方とか俺が通話でレクチャーするからよ。」

「はいはい、了解です──」


学校が終わり、小次郎は部活があるらしく俺は1人で帰ることになった。

あいつがいないはいないで少し寂しいな。

昇降口に向かおうとしたが、階段の途中にある踊り場の壁際で1人の女の子が複数の女子達に絡まれていた。

「おい、なんとか言えよ!お前!くそが!」

「なんで喋んねーんだよ!気持ち悪いんだよ!」

「あ、はい……」

「あ、はいじゃねーんだよ!まじでむかつく!ちょっと可愛いからって調子乗りやがって!」

これっていじめか?とんでもないことになってる。

あいつらたしか……

最近荒れ始めてる噂がある、クラスメイトの桐崎たちか?

何やってんだよ、あいつら!

こういうのはさすがに見過ごせない。

「おい、お前ら!そんな言葉遣いばっかして、品がないぞ?」

「あん?姫島かよ……めんどくさ、行くわよ、あんたたち。」

最後に桐崎が女の子の肩を突き飛ばして去っていった。

容赦しないな、桐崎のやつ。女とは思えない。

「おい、大丈夫か?言い返してびびらせないとあいつら付け上がるぞ?」

「いいんです。余計なお世話ですから。放っておいてくれればよかったのに……」

そう言って彼女はそそくさと階段を降りていった。

そりゃねーだろ、せっかく助けたのに。

「たしかあいつは隣りのクラスのえーと……」

まぁいっか!今度見つけたときは放っておくか。自分を助けられるのは自分しかいない、それが励みになるって

どこかの本で見たことあるし、自助論だっけな?

俺は小次郎が言っていた配信サイトのことを思い出しながら下校した。


「よし、もうそろそろ小次郎から電話が来る時間かな?」

プルルルルル……プルルルルル……ピッ

「よお!じゃあまずこのサイト開いてくれ!」

言われた通りに俺はパソコンを操作した、

おおふ。R-18配信とかもあるのかよ。

……なるほど。要は、おれが配信してる放送にユーザーが見に来てくれて、コメントを読んだり、適当に喋ったり、自分の好きなように配信すればいいのか!

なんだ、簡単じゃないか──

配信画面の上らへんに閲覧1名と表示された、1人来たということか……コメントが表示された!匿名の初見らしい。こういうときは小次郎に言われた通りに。

「1名様いらっしゃいませ!」

ううう、なんか恥ずかしい……

おれはマイクをミュートにして、通話を繋いだままの小次郎に助けを求めた。

「そんな堅くなるなって(笑)。

俺が来ただけだから。」

あ、小次郎だったのか。先に言ってくれ。

画面をもう一度見てみると、閲覧が2名になっていた。

『こんばんわ』とコメントが表示され、

名前を見てみると「美月」と書いてあった。

「ど、どうもこんばんわ……」

『素敵な声ですね、通知登録しておくのでまた来ますね。よかったらシャベクリのIDを教えていただけますか?』

なに!?『シャベクリ』とはチャットアプリのことで、1対1でチャットができる。

しかし、俺の配信に来られて早々、IDを聞くとはどういうことだ?まだ俺のこと何も知らないのに──

……そんなに俺、素敵な声だったか?

少しにやけてしまう自分がいた。

「おうおう、よかったな土筆?こういう素晴らしい出会いもあるんだぜ?でも、こうなるのは予想してなかったがな……」

本当にびっくりした。

俺の配信にはそのときは二人しかいなかったので、問題ないと判断し俺は美月さんにIDを渡した。そしたら満足してどこかへ行ってしまった……

その後は何人かの人が見に来たが、『初見です』と一言コメントして落ちていったり、

『おい!喧嘩しようぜ、俺一度も口喧嘩で負けたことないんだよね』

という中学生が書いたような匿名のコメントがきたり、

なかなか面白かった。

その5分後くらいだろうか?シャベクリから通知がきた、美月さんだろうか?

『先程はありがとうございました!いきなりですが、大事なお話があるので、ここだと少し不安ですからメアドを交換させていただいていいですか?』

次はメアドと来たか……一体なんなんだ?

少し怪しく思えたが、大事な話とやらが気になってしょうがないのでメアドを簡単に渡してしまった。まぁ大丈夫だろう──

登録をしてもらい30秒経たないうちにメールがきた!早すぎないか!?

『今度のお休みの日にお会いしませんか?』

えっ!?これなんてエロゲーだ!?──

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