Round5 様々なる強者たち
A5-1
土曜日、大会・本戦一日目。
前回と同じ会場の中央ステージには、この日の本戦に
ステージをぐるりと囲む観客席からは、予選を上回る
彼らはこれからランダム
「さあお待ちかね!
例によって、司会は
「組み合わせは自動抽選によってランダムに決められます。選手諸君には、一人ずつこちらのボタンを押して頂きたい。結果は、上のディスプレイに表示されます」
金谷の説明も話半分に、鋭一は舞台上を軽く見回してみた。百道に山本、ソウジャンも
誰と当たった場合のことも、ある程度脳内でシミュレーションはしてきた。どの相手になっても、戦えるはずだ。鋭一はひとり頷いた。いける。
「では、山本選手から順に……どうぞ」
そして抽選が、始まった。
八人は一人ずつ、
山本道則……第三試合。
AKARI……第四試合。
ソウジャン……第一試合。
ドラゴンマン……第三試合。
[第三試合決定 山本道則 VS ドラゴンマン]
百道……第二試合。
Yamato……第四試合。
[第四試合決定 AKARI VS Yamato]
──次は、鋭一だ。
緊張の
鋭一は腹を決めてボタンを押した。さあ、どうなる?
A1……第二試合。
[第二試合決定 百道 VS A1]
「げっ……!」
「ほう」
「こんなに早く、リベンジの機会が
「……させるかよ」
鋭一も
まったく、運が悪い。事前のシミュレーションをするにはしたが、その効果が最も
だが、ならば──実力で勝負するまでだ。鋭一は百道から目を
──一方。
「……むー?」
葵はこてん、と首を真横に
ステージ上では金谷が
皆が押したあのボタンを、自分は押さなくて良いのだという。ちょっと悲しい。
大会のお楽しみをひとつ
しかし……それはそうだ。彼女がクジを引くまでもなく、
葵は、第一試合。
しばらく首を倒していた彼女は、自分を見る視線に気が付いてぴくりと反応した。
視線の主は、
「これはこれは……面白いトコを引けたね☆」
軽いノリと裏腹に、その
当然だ。ただの少女ではない。彼女はひとつの流派を背負い、門下生の上に立つ強者。
──[第一試合 アオイ VS ソウジャン]
***
「……さて。いよいよ本戦の幕開けとなります。最初の試合は『
ステージ横の
四試合同時進行だった予選と違い、今日の本戦からは一試合ずつ進行し、実況と解説もつく。まさにスポーツの大会のような盛り上がりだ。
「この組み合わせ、どう見ますか? 解説の『Z』選手」
「いーなー、二人ともかわいーなー。何で俺、一位なのに女っ気とかないんだろう」
「
「──えー、まあ。アレです。『如意道』。VR上で
「なるほど」
「実際ホラ、あいつの
ステージ上、ソウジャンを
「ふむふむ。この子が『ゴースト・キャット』ね……。とてもそんなキケンな子には見えないけど──」
「?」
「──ま、それは私も同じか」
ぐい、と
葵は聞こえているのかいないのか、じっと立って待つ。
それから向かい合う二人は、大会スタッフから
「……良かった。
選手
試合場にライトが当たる。二人のファイターがVR空間にダイブする。
そして──いつものプラネットの大地に、「アオイ」と「ソウジャン」が降り立った。
[DUEL RULE 1on1]
[CHALLENGE TOURNAMENT 1ST ROUND]
一方、チャイナドレスを身にまとった
[READY]
両者は構えを取る。アオイは両手をだらりと下げ、目は相手を
わずかな
[FIGHT!!]
試合が、始まった。
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