第6話『おしおき開始―黒猫ツール―』
ディルティの屋敷から一足先に怪盗天使『彼女』(注※ワケあって今は名前を言えないのだ。頭の中でイメージするのも駄目らしい)を連れて『桃色ピクシー』に戻った僕は、ぐずる『彼女』をなだめすかし水着に着替えさせ(さすがに着替える時だけは拘束を解いた)、風呂場に案内した。
「……お風呂で一体何するつもり……ていうか、もう手錠と目隠し外してよ……」
「やりながら説明していくよ。あとそれはまだ外せない」
「……ふん」
着替えている最中にも逃げる素振りはなかったので信用しても良いのだろうが、一応念のため。
『桃色ピクシー』のレパートリーはとても豊富なので、僕は昨今すっかりお馴染みとなった白いマイクロビキニを選択した。予想通り『彼女』にはぴったりで、背徳的なエロスが僕の脳髄を刺激してくる。手錠と目隠しというシチュエーションもグッドだ。
「まずは聞こう。君の名は?」
「なにそれ、嫌味……? もうほとんど思い出せないのに……ぐす」
鼻をすする『彼女』。良い具合にメンタルをやられているようだ。
「これから僕のいう事を君が全部受け入れたら、君の名前を返してあげるよ」
「え……ほ、ほんと? ほんとにあたしの名前返してくれるのっ?」
「ああ、約束するよ。だけど君がひとつでも嫌がったら返してあげない。OK?」
「………わかった。何でもいう事聞くから。何でもいう事聞いたら、あたしの名前返してね?」
言質は取った。
「では始めようか」
「うん……あ、あの」
「何? もう怖気づいた?」
「ち、違うっ……いや、違く、ない……なるべく、優しくして……」
うおお、かわええ! 僕はぶっきらぼうに「……考えとく」と言うのがやっとだった。怪盗天使恐るべし。
「じゃあ、まずそこにひざまずいて」
「うん……」
『彼女』をマットの上にひざまずかせ、僕は腰に巻いていたタオルを取っ払った。大丈夫、僕は正常だ。暴走したわけじゃない。僕の股間には性器ではなく、立派な魔法具―――マジカルBANANAが装着されていた。皮むけ状態で、見事に反り返っている。ディルティの屋敷に向かう途中、僕はママに魔法使いにしてもらった。その証がこれだ。ちなみに元々そこに鎮座ましていたモノはママが隠してしまったので所在も知れない。
「まずはこいつをたっぷりと愛撫するんだ」
「ん、硬い……こ、これって……!」
ぺちんぺちんとマジカルBANANAで『彼女』の頬を打つ。『彼女』はまるっきり違うものを連想してしまったようで、頬を真っ赤に染めた。
「う、うぅ……いきなりハードル高すぎ……! でも、これくらい想定内よ……それに、名前を取り戻すためだもん……」
自分に言い聞かせるようにして、見えていない癖に『彼女』は恥ずかしそうに顔を背け、おずおずと僕のBANANAを手錠で拘束された両手でしごき始めた。まだまだ
「ど、どう? 気持ち良い……?」
「何が?」
「な、何がってその……このざらざらして、熱をもっているモノのことよ……っ」
「まだまだだね。もっと工夫するべきだな」
「う……そ、そう。わかった……」
少しショックを受けたような『彼女』は手を止め―――なんと、僕のマジカルBANANAにキスをしたのだった。
「ほう。機転を利かせたね」
「ちゅ……ちゅ。ふふ……どう、これならひとたまりもないでしょ……?」
僕が褒めると、『彼女』は誇らしげに言った。
「さあて、どうかな?」
「ふん、強がり……ちゅ、ちゅ……んちゅ」
マジカルBANANAに乙女の口づけという絵面は貴重だ。
『彼女』は五十回くらいBANANAにキスしたが、一向に果てない僕に唇を尖らせた。
「なんでよ……あたしがこれだけしてるのに、どうして……」
「真の愛撫とは、神様に対する敬意なんだよ」
「は? なに言ってるの?」
「教えてしんぜよう」
僕は『彼女』の手を神様に祈るように組ませ、その中にマジカルBANANAを包ませる。
「つまり君は今、神様をその手の中に収めていると考えればいい」
「全く意味がわかんない……」
「ええい、つまりこうだ!」
「むぐうっ!?」
僕は『彼女』の頭を抑え込み、無理やり神様ことマジカルBANANAを『彼女』の口に突っ込んだ。
「さあ、祈りの言葉を捧げるんだ!」
「む、むぐーっ、むううぅ……!」
苦しそうにうめく『彼女』を押さえつける。しばらくすると諦めたのか、『彼女』はもごもごと口を動かし始めた。
「はんは……はほへおほえへあはいお……」
「何言ってるかわからん。さあ、のんびりしていると君が君でいられなくなるぞ?」
「……わはっはあお……ん、んっ……」
『彼女』はやっと観念したのか、マジカルBANANAを頬張り始めた。
「そう、いい感じだよ」
僕のマジカルBANANAは魔力を吸収したり放出したりできる魔法具だという。一定量魔力を吸収すると自動で魔法が発動する仕組みだ。はじめのうちは
「ん、んぅ……ん、ん、んっ」
『彼女』の口腔内はとても温かい。マジカルBANANAを通じて『彼女』の温度が僕に伝わってくる。
「上手だね。他の男にもしたことあるの?」
僕がセクハラ攻撃をすると、『彼女』は既に紅潮していた頬をさらに赤く染めた。一旦口を離し、
「……あるわけないでしょ………好きな小説の中で、こういう描写があったから……」
「へえ、官能小説なんて読むんだ。意外とむっつりスケベなんだね」
「か、官能小説じゃないわよ! 普通の恋愛小説! それにあたしはむっつりスケベなんかじゃない! あ、あんたは黙って気持ち良くなってればいいの」
恥ずかしさをごまかすように『彼女』は僕のマジカルBANANAにしゃぶりついた。気のせいか、さっきよりも情熱的になっているような?
「ん、じゅ、じゅるっ……」
じゅぽじゅぽと音を立てて、唾液と舌をたっぷりと僕のマジカルBANANAに絡ませてくる。
「くっ……」
すさまじい勢いで『彼女』の魔力が流れ込んでくる。そういえばママが『魔力と性は密接に結びついている』と言っていたっけ。つまり『彼女』はいま興奮状態にあり、身体の中で魔力の奔流が起こっているのだろうか。それにしても凄い魔力量だ。これでは僕のほうがもちそうにない。
「そろそろイクよ! 口開けて、舌出して」
「ん、ん、んぁっ?」
他に表現方法が思いつかなかっただけで、実際には魔法を放つよ、という意味である。
ビュ、ビュビュッ!
「んぁっ、熱い……! ネバネバしてて……それに、ちょっと甘い……?」
びちゃびちゃと顔に掛かったBANANAミルク(注※立派な魔法である)を舐め取り、『彼女』はそんな感想を漏らした。
「はあ、ふう……気持ち良かったよ」
「ふ、ふんっ……お粗末様」
ぼそっと言う『彼女』が可愛かった。
「じゃ、次はうつ伏せになって、お尻を上げてくれる? 僕に見せつけるように」
「うん……わかった」
おや? 文句のひとつでも言うのかと思ったらやけに素直だな。BANANAミルクの効果は
僕の指示通りマットにうつ伏せになった『彼女』のお尻を撫でる。
「あ……ふっ……」
「きれいなお尻だね」
「……ありがと」
しっとりしていて、手に吸い付いてくるような感触。ひと通り撫でまわした後、ぱぁんっ、と軽くお尻を叩くと、ぷるん! と反発するように尻肉が弾けた。
「きゃっ……い、痛いのはやだ……」
「ごめんごめん」
そして今度はぎゅ、ぎゅっと揉んでいく。すべすべで、真っ白な小尻。
「ん、あっ……お尻、好きなんだ……?」
「自分でも初めて知った。君のお尻だからかもしれないけど」
「……っ」
『彼女』が照れているのがわかる。ほんと可愛いな。僕は『彼女』のお尻を揉む力を強めた。
「はぅ、ん、あんっ……」
「段々『女』の声になってきたね」
「ば、ばかっ……」
『彼女』の身体が桜のような赤みを帯びてくる。そろそろか。
「ねえ、君のここ、染みができてるよ」
「あっ、そ、そこはっ……!」
僕はそっと小さな布地越しに『彼女』の魔腔に触れた。
優しく上下にさすってやると、中からくちゅ、くちゅという音が響いた。すっかり熱を持ってしまっているようだ。
「聞こえる?」
「……ぅん……聞こえる」
「実はね、君にプレゼントがあるんだ」
「え……あ、やんっ……あたしに?」
「そう、君に似合うと思って。だから、君の魔腔見せて?」
「う、うぅ……誘惑してるのか脅迫してるのかハッキリしてよ……でも、どうしてもって言うなら………別にいいよ」
「やった! じゃあ、脱がすね!」
「うん……あんまりじろじろ見ちゃだめだからね」
僕は『彼女』の紐ビキニをするすると脱がした。中から現れたのは、まさしく魔法使いの神秘―――秘境であった。若干似ているが、確かに女性の性器とは違うようだ。ただただ美しい。
「きれいだ……」
「……恥ずかしい」
いかんいかん。見とれている場合じゃない。早くしないと『彼女』が元に戻れなくなってしまう。僕はママから指示された魔法具を『彼女』のお尻のほうの魔腔にあてがった。
「じゃ、プレゼント挿れるね」
「え、入れるって何―――あ、あぁあぁっ!?」
勢い良くそれを突っ込むと、ぷしぃ! と『彼女』は魔腔から魔力の潮を吹いた。
「か、かはっ……だめ、抜いてえぇ……!」
「ごめん、もうちょっと奥までしっかり挿れないとだめみたいだ。ふん!」
「ふわあぁ!?」
ぷしゃああ! とまたもや魔腔から潮を吹き、彼女は失神してしまった―――。
***
ぱん、ぱん、ぱん、ぱんっ……。
「ん……んっ……にゃ、あっ……」
意識がなくても声が漏れるのは、『彼女』が女だからに他ならない。
僕は構わず『彼女』に腰を打ち付ける。
「……んぅ、ん、んっ……っにゃ!?」
「やあ、起きたね。鏡を見てごらん」
「ふえ……? にゃっ……!」
目隠しを外され、鏡に映っていたのは猫耳、猫尻尾を装着し、僕に犬のような恰好で後ろから突かれている『彼女』の姿だった。
「あ、あっ……にゃ、にゃんじゃこりゃあっ!」
「見ての通りさ。これがなんだかわからないほど子供じゃないだろ? チェリー」
「チェリーって―――あ、あたしの名前にゃ!」
忘れていた名前が次々と激流のように頭に流れ込んできて、チェリーの記憶を取り戻していく。そして自分の任務、敵、敗北―――現状に至るまでの経緯を思い出す。
「あ、くうんっ……にゃるほどね……全部思い出したにゃ……」
「悔しい?」
「当然でしょ……あ、にゃっ……不意打ちされて……あ、あんっ……こんな目に遭わされて……悔しくにゃいわけがにゃいにゃ」
「そうか。このお仕置きが終わったら手錠も外してあげるけど、そしたら僕たちに復讐する?」
「愚問にゃ……ん、にゃあっ……せいぜい、最期の時を愉しむがいいにゃ」
「わかった。正直迷っていたけど、君がそういうなら―――決めたよ」
「決めたって何を―――にゃ、にゃあんっ!」
僕はチェリーの腰を引っ掴み、激しくマジカルBANANAを彼女の魔腔に打ち付けた。打ち付けるたび、ぬっちゅぬっちゅと粘着質な音が響き渡る。魔腔の中で僕と彼女の魔力が混ざっているのだ。
「ふあ、にゃっ! は、激しいっ……魔腔のにゃかにそんにゃの挿れるにゃんて……信じられにゃいにゃ……ふぁ、あんっ……あんた、怖くにゃいの……?」
「全然怖くないね。チェリーはM気質だからこういう恥ずかしい体位が似合うと思ったんだ。どうせ官能小説読んで自分も男にこうされてみたいとか妄想してたんだろ? 嬉しい?」
「誰がM気質にゃ! あと、官能小説じゃなくて恋愛小説だって言ってるにゃ! こんにゃのちっとも嬉しくにゃい……ふんにゃっ」
「じゃあその表情なに。鏡よく見てみなよ」
「にゃ……?」
チェリーは鏡に映る自分の表情を見ると、かぁ……と頬を染めた。
「目、とろんとさせて、口元だらしなく開けて、よだれまで垂らして。それ、僕の国じゃ『雌』の表情って言われるんだよ」
「にゃ、にゃあっ……『雌』だなんて、動物みたいにゃ……」
「心配しなくても大丈夫だよ。僕も『雄』になるから。もうすぐチェリーの魔腔にマーキングしてあげるからね」
「マーキングってにゃに……?」
「自分の匂いを相手につけることだよ。絶対忘れることができないように。これは自分のものだってね。君が僕の『所有物』だと認識できるように」
「にゃあっ、そんなのいやにゃあっ……」
実際はチェリーに装着した『黒猫ツール』の効果を発動させるために(対象者が猫言葉になるのはデフォ)必要な措置なのだ。
「そろそろイクよチェリー! たっぷり出すからね!」
「にゃ、にゃあっ、にゃあん!」
僕はラストスパートを掛け、マジカルBANANAの魔力をチェリーの魔腔内に放った。
どぴゅ、どぴゅう!
「にゃああああっ!?」
チェリーはびくんびくんと痙攣し、再び意識を失ったのだった―――。
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