第3話『研修開始―魔法のローション―』

 習うより慣れろです、とママは言った。


「ええと、つまり?」

「つまりですね」


 ママの経営するお店『桃色ピクシー』には、様々な大人の魔法具が揃っている。

 

「カズキさんには、いずれ私が不在の時でもお客様の対応が出来るようになってもらわなくてはなりません。そのためにはきちんとした商品知識を得る必要がありますが、説明書を読んだだけの薄っぺらい知識などゼロにも等しいと私は考えています。ですから、まずはお店にある全ての商品を実際にカズキさんに使ってもらい、その効果を身体で覚えて頂きます―――といっても、恋人同士で使うための商品も多いので、恋人役は私が務めます。これで使う側と使われる側両方の気持ちを知り、お客様の様々なニーズに応えられるよう頑張ってくださいね」


 などとママは真剣な顔で言うのだが、要するにこれは―――男にとっては最高の展開じゃないか!

 僕はニヤけそうになるのを必死で堪え、「任せてください!」と胸を張った。


「では支度をしますので、先にお風呂場で待っていてください」


 僕は脱衣所で服(元の世界の作業着は目立つので処分し、ママに街着を買って貰った)を脱ぎ、タオルを腰に巻き、ママから預かった『魔法のローション』を持って風呂場に入った。


「おお、結構広い。風呂場はどこの世界でもあまり変わらないんだな」


 浴槽には白く濁った湯がたっぷりと張ってある。電気も通っており、この国の文明の高さを窺わせた。その他にはシャワー、風呂桶、鏡、椅子、マットなど、一般家庭にありそうな(?)物ばかりが置いてある。

 僕が浴槽にマットを浮かべその上で寝そべっていると、静かに風呂場のドアが開き、黒い競泳水着っぽい水着に着替えたママが入ってきた。


「お待たせしました……」

「……ママ、スタイルいいですね。それに、すっぴんも可愛いです」

「やだ、あまり見ないでください……」


 僕が褒めるともじもじするママ。普段と様子が違う。化粧を取ると自分に自信がなくなるのかな。ママのすっぴんはまだ幼さを残している―――というか実際相当若いんじゃないだろうか。大きな胸と、むっちりした太ももがたまらない。見ないでと言われてもガン見してしまうレベルだ。


「マットはこちらに置いてください……はい、ありがとうございます」


 マットを浴槽から戻し風呂場の床に置くと、ママはその上に仰向けになった。


「はじめに『魔法のローション』の説明を聞きますか?」

「いえ、結構です! 僕の故郷でも似たようなものがありますので!」

「そ、そうですか……では実践しながら、かいつまんで説明していきますね」


 ちょっと残念そうなママ。悪いことをしてしまったかなと思うが、僕は早く実践したくて仕方なかった。


「では始めましょうか。どうぞ、カズキさん」

「はい! カズキ、いっきまーす!」


 ドレッシングのような容器に入った蜂蜜色の『魔法のローション』。僕はキャップを開け、ママの両胸の中心目がけてぴゅ、ぴゅっと二筋放った。


「ひゃっ?」


 びっくりしたようなママの声。水着越しに掛かったローションがじわり……とママの胸の先端―――乳首に浸透していく。


「ママ、バンザイしてください」

「バンザイ……?」

「こうやって両手を上げてください。そう、それがバンザイです。喜びを表現する時などに使われるポーズなんですよ」

「異国の習慣って初めて知りました……教えてくださってありがとうございます」


 美しい腋を晒しながら、笑顔でお礼を言うママ。どうやらこの国の女性は腋を見せることへの抵抗、羞恥、そしてそれがもたらすエロスを知らないらしい。これはいけない。僕がきちんとママを調教して、立派な淑女にしてあげよう。セクシーDVDで勉強した成果を今こそ発揮する時だ。


「いえいえ。では続けます」


 などと不穏なことを考えていることはおくびにも出さず、僕は自分の手にローションを多めに垂らし、ぬちゅぬちゅと両手でよくかき混ぜてから、ママの両脇に手を滑り込ませた。


「ふぁ、んっ」

「ママの腋、つるつるで綺麗ですね」

「そ、そうですか? ありがとうございます」


 ぬち、ぬち、ぬち、ぬち。

 粘着質な音がママの腋から響く。


「ん、すこし……くすぐったいです……腋なんて、触られたことなかったから……」

「じゃあ、ママの『腋ヴァージン』は僕のものですね」

「うふふ、面白いネーミングですね……はぁ、んっ……」

「ほら、商品の説明しなくていいんですか?」


 ママは思い出したように説明を始める。僕は構わずママの腋を貪る。


「『魔法のローション』は……ぅんっ……本来、魔法使いの魔力を回復させるために夫が開発したものなんです……専用の薬もあるにはあるのですが、高くて一般の人たちには手が出ませんでした……や、あんっ……魔力というのは、魔法を使わなくても微量に減少していくものですから……あ、うっ……放っておくと体調不良になったり、病に掛かったりしてしまうのです……」

「魔法使いは自身のケアが大変なんですね」

「そうなんです……んぁっ……最初の頃の試作品は、もっと濃度が濃くてどろどろしてて……んくっ……だから、洗い流すのが大変でした……」

「今はとろとろで、ちょうどいい感じですね。花のような香りもいい」

「ありがとうございます……ん、んっ……試行錯誤を続けて、やっと今の状態になって……使っていくうちに、魔力回復以外にも効能が見つかったんです……」


 僕はママの腋にキスし、舐め回した。


「きゃっ?」


ほんのり湿った腋とローションの蜜のような味が合わさって芳醇だ。興奮する。多分これが『女』の味、そして匂いなのだ。僕はそれらを貪欲に吸った。

 じゅる、じゅるる、じゅるるるっ。


「や、やぁっ……そんなとこ吸っちゃだめですっ……」

「いいから。続きを説明してください」


 腋を吸われたことで、ママにも多少の羞恥心が生まれたらしい。泣きそうな声で抗議してくるが却下する。


「あ、あうぅ……その効能というのは……異性に『魔法のローション』を塗ってもらうことで、魔力回復だけでなく、魔力上昇の効能と……あ、ぁっ……その……性的興奮を呼び覚ます『媚薬』としての効能でした……魔力と性は密接に結びついているのです……」

「なるほど」


 僕はママの腋を吸うのをやめ、彼女の胸元を見た。先程ローションを浴びせられた乳首が、水着越しに少しぷっくらとしている。ママの顔を見ると、上気し、吐息も荒くなっていた。それでも従順な犬のように、僕の次の行為をじっと待っている。その表情は、否応なく僕の心臓を高鳴らせた。


「次はおっぱいに触りますが、いいですか?」

「……いちいち確認しなくていいですよ。カズキさんの好きなようにしてください」

「わかりました。重たいかもしれませんが我慢してくださいね」


 僕はママのお腹の辺りに腰を下ろし、マウントポジションのような格好になった。


「んぐっ……お、重いです……」

「我慢してください」


 僕はママの胸の円を描くようにローションを垂らし、その上を指でなぞっていく。


「あ、ふうっ……」


 水着に胸の円と、中心の乳首がローションで濡れて跡になっているのはマニアックなエロさがあって良い。

 僕はママの乳首に触れないよう注意を払いながら、その周り―――乳輪部分を優しくなぞり始めた。


「あ、ぁあっ……」

「どうですかママ? こうされるとおっぱい気持ち良くないですか?」

「は、はい……気持ちいいです……でも……」

「でも?」

「い、いえ……なんでもありません」

「そうですか。ではしばらくこれを続けますね」

「あ……はぃ」


 少し不満そうなママ。本当は胸を揉みしだいてほしいのだろうが、僕は意地悪なのでママが自分からおねだりするのを辛抱強く待った。


「ん、んっ……ぁんっ」


 ママの乳輪を指でなぞったり、爪で軽く引っかいたりして刺激を与え続ける。十分以上続けてやると、ママの乳首はぴん、とはっきりわかるくらい突起した。早く触れてとせがんでいるようだ。


「乳首、たっちゃいましたね」

「や……イジワルなこと言わないでください……」

「だめですよ、顔を背けたら。ちゃんと僕の目を見ていてください」

「……はい」


 ママを見下ろす僕。僕を見上げるママ。女を組み敷くとこんな気持ちになるのか。これが征服感というものか。ママは僕を見つめながら微笑んだ。


「……カズキさん……目、ギラギラしてます」

「そりゃギラギラもしますよ。ママとこんなエッチなことしてるんですから」

「これは……カズキさんに一人前になってもらうための研修ですから……」

「そうでしたね」

「そうですよ………あの、カズキさん……」

「はい?」


 ママは僕の手を取り、自らの胸に押し当てた。


「お願いします……これ以上焦らされたら私、どうにかなってしまいそうです……」

「はい!」


 潤んだ瞳で懇願され、僕は頷くしかなかった。

 むにゅうっ! とこれまで我慢していた気持ちを一気に解放するように、僕は両手でママの胸を思い切り鷲掴みにした。


「んぁあっ!」


 その瞬間、ママの身体がびくんと跳ねた。次いで全身の力が抜けたのか、くたっとしてしまう。

 じょ……じょろ……じょろろろ。


「ん?」

 

 何かの音に気付き、僕はママの上から退き下半身を見た。彼女の股から、ほかほかと湯気を立てて黄金色の液体が流れ出ていた。


「やあっ……! 見ちゃだめです……」


 恥ずかしそうに顔を覆ってしまうママ。


「大丈夫ですよ。何も見てませんから」


 僕はそう言って笑い、ママの胸を揉み始めた。彼女がおもらしの羞恥を忘れられるくらい卑猥な手つきで。


「あ、あぁ……カズキさんの手つき、いやらしいです……」

「ママのおっぱいのほうがよっぽどいやらしいですよ」


 リズミカルに、強弱をつけて。


「は、あっぅ……ん、んっ」


 ママの胸はマシュマロのように柔らかく、それでいて程よい弾力がある。これは男を虜にする胸だ。


「ママ、このローション使い切ってもいいですか?」

「はい……どうぞ」


 びゅ、びゅびゅっ、びゅびゅう。

 僕はママの胸、腹、股に残りのローションを全て放った。


「ふふ……ぬるぬるにされちゃいました……」

「じゃあ、続けますね」


 僕は左手でママの胸にローションを塗り込みながら、右手は彼女の腹を撫でつつ、次第に下へスライドしていった。へその下あたりで一旦手を止め、確認する。


「ママ、触っていいですか……? ママの大切一番なところ」

「そんなに緊張しないでください……大丈夫ですよ、私―――魔法使いのこことお尻は、魔腔まくうと呼ばれる魔力吸収、排出器官なんです……カズキさんの思っている性器やお尻とは構造も役割も違いますから」

「あ、そうなんですか……」


 どうやら普通の人間と魔法使いとは身体の作りが違うらしい。なんだ、心配して損した。同時に、僕は免罪符を得た気分になる。


「じゃあ、遠慮なく」

「はい……あんっ!」


 水着越しにママの魔腔に触れると、伝わってきたのは熱だった。


「熱い……ママの魔腔、すごく熱くて、濡れてます」

「さっき、体内に溜まった魔力を放出しちゃったから……また身体が欲しがってるんです……カズキさん、『魔法のローション』をたくさん塗り込んでくださいね……」

「わかりました」


 僕はママの魔腔を上下にさすり、しっかりとローションを塗り込んでいく。

 くちゅ、くちゅくちゅ、と粘り気のある音が響く。


「ママ、目が潤んでますよ。平気ですか?」

「は、はい……心配無用です……どうぞ、続けてください―――ふぁあっ!」


 言われるがまま続けていくとママの身体は小さく震え、ぷしいっ、と魔腔から魔力の潮を吹いた。


「は……ぅ……」


 ママの顔を覗き込むと、すっかりトロ顔を晒している。


(エロい……でも何か物足りないような―――そうだ!)


 異世界なら異世界ならではの、魔法使いなら魔法使いならではのエロを開拓すべきだと僕は考えた。僕がこの世界に来たのは、きっとエロスの伝道師になれという神様の思し召しなのだ。


「ママ、ちょっとお願いがあるんですが」

「ふあい……なんでしょう……?」


 僕はママに断りを入れてから、あの大胆なポーズを取ってもらった。


「カズキさん、この恰好は……?」

「僕の故郷では『MANGURI返し』と言います」

「まんぐり……変わった名前ですね」


 ママは僕に両足を押さえつけられたままくすくす笑う。よし、もう一歩だ。


「そうしたら次に、水着の上からで構わないので、魔腔の両端を指で外側に開きながら、こう言ってほしいんです」


 僕はママに耳打ちし、了解を得た。


「では、お願いします!」

「は、はい……では」


 ママはMANGURI返しのポーズのまま、おずおずと魔腔を自分の指で拡げ―――、


「まくう、くぱあ♡」


 そう言ってのけたのだった。僕は心の中でガッツポーズを決めた。

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