第7話 世界崩壊


 僕の人生は多くを諦めるしかなかった。

 諦めの先に

 きっと僕の死が待っていた


 周りの世界が早くなって

 ぐるぐると頭を揺らしてくるのだ


 希望の行き道を塞がれ

 尊敬した人がいなくなって

 友人が死んで

 僕は君と無関係になって

 もう世界は、くそみたいだった。


 残るは悲しい自分だけ。もう諦めた。

 ただ、耐えていただけの身だった。



 ふと、世界が崩れだした。


 世界は回りだして、

 塗られた黒が剥がれ落ちて

 どこからともなく

 ひび割れた光が生まれて

 鐘の音が響き渡ったら、

 太陽が昇りだした。


 窓越しの世界が明るみ始めた。



 ふっと気が付けば、12時を越えていた。

 新たな年が明けたのだ。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る