ペヤングの作り方 by.いましん

いましん

タイトルです。どうやら美琴という女の子がカップ焼きそばを作るようですが……果たしてどうなるのやら。

「よぅし、カップ焼きそば、作っちゃうぞ!」


エプロンを着けた美琴は、握り拳でなんかこうグッてやって意気込んだ。


「いきなり表現が抽象的だよ。もっと頑張ろうよ。」


でも、間違ってはないじゃないか。


「そこは地の文としてのプライドを持とうよ。」


あ、地の文が喋ってる事について何か説明しといた方がいい?


「あ、そうだね。お願い。」






説明しよう!地の文はあくまで地の文で、作者の声とか他のキャラクターとかでは無いのだが、この世界では喋るのだ!

終わり!




「雑っ。」


でも説明のしようがないでしょ、こんなの。


「そりゃそだけれども。」


ほらほら、そんなことより早く焼きそば作る!


「へいへーい。」


はい、作りながら説明する!何入れてるの!!


「説明は地の文の仕事じゃ……いいけど別に。えっと、お湯入れまーす。」


よろしい。次に?


「えっと、3分経ったら……って、え、これさ、」


うむ。


「作者それぞれの文体でカップ焼きそばの作り方を説明するっていう企画なんでしょ?」


いかにも。


「でもこんな文体ほぼしてないじゃん。ジャンルは何なんだよ。」


お、してない『じゃん』と『ジャン』ルで掛けたな。


「違う!別にそんなことないし、面白くないし今そんな話してない!なんか腹立つなおい。」


ごめんなさい。


「で、さっきの「うむ」とか「いかにも」とかなんなの。全くした事ないでしょ。」


ほんとだ。


「やめてよね、そういうの。ほんとに。」


……ごめんなさい。


「よろしい。」







麺が伸びた。

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