黄色い風

 何もない砂漠

 砂だらけの砂漠

 風だけで山の形も変わる


 ごつごつとした岩肌

 かつて豊かだった記憶

 強い光が幻に変えていく


 風がなければずっとずっと残ってる

 あの日歩いた足跡も

 力尽きた同志たちの残骸も


 たったひとつの瞳に見つめられ

 役に立たない汗をこれでもかと流し

 オアシスの幻に翻弄され


 遠い遠い空

 すべての熱が帰っていく夜

 千の瞳 それぞれの独り言


 重い足を引きずって

 僕らは一体どこに向かうのだろう

 いつからこの砂漠に居るのか

 もうそれすらも分からない


 何もない砂漠

 かつて森だった砂漠

 世界中が砂に覆われていく

 文明の残骸が風化していく

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