散歩日和

 小川のせせらぎが少し優しく感じる頃

 木々がようやく少しだけ目を覚まして

 でもまだ外の世界におっかなびっくりで

 

 ゆっくりと歩く散歩 青空を吸い込んだら

 すうっと何もかもが軽くなる

 こんな日はサイダーなんか飲んじゃったりして

 でも一気に流し込んだりなんかしなくて

 一口ずつノド越しを確かめるみたいに


 誰も居ない川を覗き込んでは

 光の反射をずっとずっと眺めているよ

 ゆらゆらゆらゆら透明なエーテルの響き


 海は相変わらず誰にも無関心な風

 うみねこたちに混ざってカラスたちも笑う

 いいのさ 僕は遠く水平線のトリコだから


 振り向けば そう 子供の頃からの見慣れた景色

 あの日と同じ優しい顔の山々

 父と母に囲まれてブランコで遊ぶ僕ら


 少しずつ少しずつ軽くなってくる

 目線の先に恥ずかしそうなつぼみたち

 季節時計はいつだって正確だよね


 ふいに風が帽子を飛ばそうとする

 悪戯坊主 無邪気に笑う

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