春のうた

 やわらかい木漏れ日

 花びらの舞う河川敷

 優しい土手の懐に抱かれて

 真っ青な空に雲たちが遊んでる


 桜たちがずっとずっと並んでる

 みんなみんな穏やかな顔をして

 風がほら 道行くみんなを立ち止まらせて


 ゆっくりゆっくり道草しよう

 いつも急かされていた昨日までは忘れて

 何も急ぐ必要なんてないのさ

 深呼吸したら光が広がっていく


 春の精霊が魔法をかけているね

 この風景をずっとずっと閉じ込めていたいよ

 犬たちはリズムよく風と踊ってる

 猫たちは高いところからあくびばかり


 ずっと立ち止まって見上げているよ

 きっと春の精霊も眠っているね

 せせらぎの優しいうたがとけていく

 どんな芸術よりもすばらしい世界


 聞こえるはずのないどこかからの声が

 この景色を眺めていたら

 言葉になる前のもっともっと前の

 魂のひだに触れて響いていく

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